平成12年1月11日
阪神・淡路大震災以降の横浜市の地震研究への取り組みと今後の展望
1 地震懇話会の設置
市長と災害対策室及び消防局の防災担当者と市大の地震研究者が,地震に関する基礎 的かつ実務的な研究・検討を行うことを目的として平成7年3月に設置した。
2 地震に関する調査
(1)活断層調査
- 平成7年度と8年度の2カ年で,科学技術庁交付金事業(100%補助)を活用して当調査を実施し,活断層である立川断層は横浜市域に延びていないことを確認した。
(2)地下構造調査
- 平成10年度から12年度の3カ年の予定で,科学技術庁交付金事業(100%補助)を活用して,強震動予測のための基礎資料を得ることを目的とした当調査を実施している。
(3)横浜市直下型の想定地震
- 阪神・淡路大震災を検証するとともに,4つのM6.5級の直下型地震を想定地震とした直下型地震に関する被害想定調査を実施した。
3 地震観測施設の整備
(1)高密度強震計ネットワーク
- 初動体制の確保等を目的として,市域内に150箇所の地震計を設置した当システムを科学技術庁補助事業(1/2補助)を活用して整備した。(H9.5稼働)
(2)微小地震観測システム
- 本市消防局の4観測点と科学技術庁の6観測点との連携(合計10観測点)による微小地震の監視体制を整備した。
(H9.4稼働)
(3)広帯域地震計
- 横浜市大が地震発生のメカニズムの研究等を目的として6箇所の観測点を設置した。 (H3年〜設置)
4 地震マップの作成と街づくりへの応用
(1)これまでの解析で,@同じ地震でも市域内において震度で1から2の地域差があることA横浜市の地震基盤深度は一様でなく,複雑な地下構造であることなどが明らかになっている。
(2)強震計ネットワークで得られた観測データや地下構造調査の結果を活用して,本市域内の詳細な地下構造を把握し,平成12年度には「市域内のどこがどのように揺れるのか」を表した地震マップを作成し,建築基準や都市計画などの街づくりに反映させる予定。
(3)観測データや解析結果については,市民をはじめ防災関係者に,わかりやすい解説を加え広報し,防災意識の啓発等を図っていくことにしており,現在,気象庁をはじめ,インターネット,CATV,ポケットベルなどを活用して震度情報を提供している。
5 今後の展望
(1)本市独自の微小地震計,広帯域地震計,強震計の地震観測システムを活用した,地震監視体制の確立と地震予知の研究
(2)神縄・国府津ー松田断層帯地震に関する地震モデルの具体化や地震発生の切迫性などについて国等と協調した調査研究の推進
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