資料 成5−(2)
地震調査研究推進本部政策委員会
第4回成果を社会に活かす部会論点メモ(案)
◎防災を進めるための議論(防災機関の現状説明に基づいての議論)
・防災対策への活用に活かすためには、選択肢を示すところまでの研究が必要。
・地方自治体としては専門的知識を有する機関の支援が必要。
・インターネットなどにより、防災に役立てた防災知識・情報への容易なアクセスを可能とするシステムが必要。
・住宅の耐震性の検診の補助制度は利用されているが、その結果、耐震を目的とした改修を行うことはまれ。
・地震学と工学(建築)の連携が必要。
・古い木造建築物については、耐震を目的とした改修を行わないことが多い。耐用年数までの残りの期間が短いため、改修よりも新築時の対応を考えているようだ。
・安くできる耐震化のための改修方法の開発が必要。
・従来から不燃化への公的機関の支援が行われているが、耐震については問題がある。
・広く薄くが現状だが、補助率を部分的に上げる方法もある。
・私的財産に公的資金をつぎ込むための理由付けが必要。
・住宅の耐震に踏み込めない理由が、費用。耐震したからといって、便利になるわけではない。
・家は人生最大の買い物であり、費用を考えると耐震のための改修に踏み切れない実状も理解すべき。
・確率を用いるのはいいが、自分の家がどの程度揺れるのかわからない。そのような情報を提供すべき。
・ただ危ないといわれても、具体的にどうなのかわからない。まず、(疑似)体験することが必要。
・耐震性のいい住宅などについては、保険料を割り引くことも考えられる。
・地盤についても考慮する必要があるが、それを調べるには経費がかかる。
・保険料に差異を設定することにより、入りたい人が入れなくなる可能性もある。
・活断層付近の土地規制については、実施できない場合も考慮する必要性がある。
◎政策委員会に向けての議論(地震発生確率の評価手法)
・地震発生の可能性を確率で表すのは有用。
・確率だけではなく、インデックス化あるいは指標など、補助的な情報の付加も必要。
・確率だけでは不十分であり、人々の生活に密着した事例との比較が必要。
・一般向けと防災機関への情報に違いを持たせるべき。
・できるなら確率表現と行動指針をセットにすべき。
・確率が低いと安全情報に受け取られる恐れがある。
・確立について、個々の断層にのみ着目するのではなく、周辺の断層などを考慮し、広域的に評価してはどうか。
(事務局)地震動予測地図はそれを目指すもの。
・交通事故に遭う確率、強盗に遭う確率などと比較することにより、地震に遭う確率が小さなものでないことを啓蒙するのはどうか。
・比較のための基礎データを収集する必要がある。
・確率の導入を検討するためには、手法に基づいての議論が必要。
・インデックス化についての論議は地震調査委員会の範疇を超えている。政策委員会,あるいはその下にWGを設置して議論するべき。
・地震学(理学)と工学分野の情報交換、連携が防災には必要。
・地震学(理学)はその分野で成果をあげればよく、社会学的なことについてはその専門家に任せればよい。役割分担が必要。
・専門家(理学)と一般の市民、あるいは分野の異なる専門家同士を結び付けるシステムがないことが問題。
・種々の防災対策のウエイトを決めるため、確率を用いるといいのではないか?
・阪神・淡路大震災の確率は4%であったが、地震が発生した。確率が低くても地震が起きてしまうことを考慮すべきである。
・確率評価と規模は別の問題なので、行動指針と確率評価を結び付けるのは疑問である。
・できるものからやっていく必要がある。そうでないと、後手後手にまわることになる。
・どのように物事を進めればいいかのプロトタイプを防災担当者に提示することにより、防災情報の利用を促せるのではないか。
・予防措置の指針に応じて、「国は、」「県は、」「市民は、」とそれぞれの主体がどのように防災にかかわるかを考えるのはどうか?
・自治体としては確率を出してもらうのは有用。
・地震発生確率は地震が起こらなければ年々上がっていくものだ、という意識を高めることが大事。
・将来的にはその精度が向上して、最終的には地震予知ができるようになることを期待。
・確率評価とは独立した形で、行動指針を定める方法もある。