伊達郡国見町森山にて行われたトレンチ調査は、断層帯の北部に位置する藤田東断層(「日本の活断層」による)で行われました。比較的小規模なトレンチ(長さ10m)ですが、深さは最大5mとなっています。(写真−1)。
トレンチ東側法面(写真−2)では、「逆断層」が明瞭に観察することができます。この逆断層は、断層面付近で下盤の砂礫層を変形させています。また、深さ4m付近で断層が2本に分岐しており、下側に分かれた断層と、上側にのびる断層は地層と断層面の関係から活動時期は異なることがうかがえます。
調査結果については、今後地域活断層調査委員会において解析を行っていく予定です。
(写真−1) 森山トレンチ全景
写真−2 断層付近拡大
トレンチ調査――――― 活断層のトレンチ調査は、断層の通過している場所に調査溝(トレンチ)を掘り、その断面や平面の観察によって、過去に起こった断層運動を解読していく方法です。地層の中の土器などの遺跡や植物の化石から年代に関する情報を入手し、断層運動の発生時期や活動の間隔を把握していきます。