皆さんは地震による揺れを体で感じた場合、TVなどを通じて「震度○○」といった情報を目にする機会があるかと思いますが、実は人間が感じることができないような非常に小さな地震(微小地震)というものも数多く発生しています。この小さな地震を捉えることができるのが高感度地震計です。
現在、高感度地震計は、全国で偏りなく微小地震を検知できるよう、15~20km間隔を目安として、独立行政法人防災科学技術研究所、国立大学法人、気象庁などにより、全国に1200ヵ所以上設置されています。また、これらの観測データは一体的な観測ネットワークを構築しているので、すべてのデータはリアルタイムで相互に流通しているほか、防災科学技術研究所のwebサイトにおいても公開されています。
では、この高感度地震観測によって何がわかるのでしょうか?例えば、震源の位置や断層がどのように動いたかといった地震の発生メカニズムを高い精度で推定することができるようになります。その結果、今、どのような地震活動状況なのか、地下がどのような構造になっているか、地下にかかる力がどうのようになっているかといった様々な情報を得ることができます。これらの情報は地震本部における毎月の地震活動の評価や、地震の将来の発生予測(長期評価)などに用いられるほか、各機関における業務や研究活動にも用いられるなど、様々な地震調査研究を支えています。
高感度地震計の配置