地震の発生するメカニズムはいろいろなものがあります。陸のプレートと海洋のプレートの運動に起因する地震、内陸の活断層が活動して発生する地震、火山体周辺でマグマの動きや熱水活動等が原因として発生する地震等があります。これらのうち、海のプレートと陸のプレートの境界で発生する地震を、海溝型地震と呼びます。 海のプレートは、中央海嶺と呼ばれる大規模な海底山脈で作られ、中央海嶺から離れるように移動していきます。やがて(何百万年~何億年後)陸のプレートと衝突し、密度の高い海のプレートは、陸のプレートの下に沈み込んでいきます。沈み込んでいく際に、海のプレートと陸のプレートの間の摩擦により、陸のプレートは引きずりこまれていきますが、それにより変形させられますので、ひずみがたまっていきます。やがて、そのひずみに耐えられなくなり、陸のプレートは元の状態に戻ろうとし、大きく跳ね上がります。この現象が短時間で発生した場合には短周期の地震動を発生する地震に、時間をかけて動いた場合には、「ゆっくりすべり(スロースリップ)」となります。
東北地方太平洋沖地震は、太平洋プレートと陸のプレートの間に蓄えられたひずみが解消しようとして発生した(超)巨大地震でした。1960年チリ地震、2004年スマトラ沖地震などの巨大地震もこのタイプの海溝型地震でした。海溝型地震の震央は海の中である場合が多く、地震発生に伴う巨大津波にも警戒する必要があります。 プレートの沈み込みが起こっている場所では、これ以外のタイプの地震も発生しています。沈み込みが起こる直前では、海のプレートは下方向に曲げられますから、引っ張る力が働き、正断層タイプの地震が発生します(アウターライズ地震)。また、沈み込んだ海のプレートはプレート境界の動きにより、張力や圧縮力が加わる場合があり、内部で地震が発生することもあります。