(図中のシンボル、または下の主な地震活動のリストをクリックすると、該当する地震活動の評価へジャンプします。)
(注)「2007年8月16日 ペルー沿岸の地震活動」は範囲外のため、図には掲載しておりません。
各地震活動の評価は、発生後、1年程度の間に公表された評価内容をとりまとめたものです(これまでの地震活動の評価の閲覧へ)。 |
2007年1月13日 千島列島東方の地震活動 | M8.2 |
津波を観測 |
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2007年3月25日 能登半島地震の地震活動 | M6.9 |
最大震度6強 |
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2007年4月15日 三重県中部の地震活動 | M5.4 |
最大震度5強 |
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2007年4月20日 宮古島北西沖の地震活動 | 最大M6.7 |
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2007年7月16日 新潟県中越沖地震の地震活動 | M6.8 |
最大震度6強 |
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2007年8月2日 サハリン西方沖〔サハリン南部付近〕の地震活動 | M6.4 |
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2007年8月16日 九十九里浜付近〔千葉県東方沖〕の地震活動 | 最大M5.3 |
最大震度5弱 |
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2007年8月16日 ペルー沿岸の地震活動 | M8.0 |
津波を観測 |
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2007年10月1日 神奈川県西部の地震活動 | M4.9 |
最大震度5弱 |
千島列島東方の地震活動 【2007年1月13日、M8.2】
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○ 1月13日13時23分に千島列島東方でM8.2の地震(国内最大震度3)が発生した。発震機構は北北西―南南東方向に張力軸を持つ正断層型で、太平洋プレート内部で発生した地震と考えられる。GPS観測結果には、この地震の前後で、国内では特に変化は認められない。
この地震に伴い、オホーツク海と太平洋沿岸全域に津波が伝播し、国内で観測した最大の津波の高さは43cm(三宅島坪田における暫定値)であった(2006年11月15日の地震における最大の津波の高さは、三宅島坪田における84cm)。
2006年11月15日に、今回の地震の西北西の位置でM7.9の地震が発生した後、地震活動はM7.9が発生した西側の領域と海溝軸直下の東側の領域に分かれて活発化した。それらの地震活動が収まってきた中で、今回の地震が発生した。西側の領域で発生した地震の発震機構はプレート境界で発生したことを示唆する逆断層型であり、東側の領域で発生した地震の発震機構は太平洋プレート内部で発生したことを示唆する正断層型であった。
(注)GPS観測結果の記述は2007年2月14日時点のものである。
能登半島地震の地震活動 【2007年3月25日、M6.9】
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○ 3月25日9時42分頃に能登半島西岸付近の深さ約10kmでマグニチュード(M)6.9の地震が発生し、石川県で最大震度6強を観測した。この地震により、珠洲市長橋で高さ22cm、金沢で高さ18cmなど、北陸地方で微弱な津波を観測した。本震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ横ずれ成分を持つ逆断層型であり、地殻内の浅い地震である。
○ 地震活動は本震−余震型で、余震活動は減衰してきている。余震は北東―南西方向の長さ約40kmに南東傾斜で分布している。4月11日14時までの最大の余震は3月25日18時11分頃および3月26日7時16分頃に発生したM5.3の地震で、それぞれ余震域の北東端、南西端で発生した。南西端の最大余震が発生した以降、余震域は南西側にやや広がっている。また、今回の地震の周辺域で顕著な地震活動の変化は認められない。余震域の南東側には
○ GPS観測の結果によると、本震の発生に伴って、
(注)GPS観測結果の記述は2007年5月9日時点のものである。
○ 陸域観測技術衛星「だいち」に搭載された合成開口レーダ(SAR)のデータから、能登半島地震に伴う地殻変動が面的に観測された。
○ 水準測量の結果から、志賀町から輪島市にかけて最大で約40cmの隆起が観測された。これは地質学的な現地調査や干渉SARの解析結果と調和的である。
○ 余震分布や本震の発震機構から推定される震源断層は、北東―南西走向、南東傾斜で横ずれ成分を持つ逆断層で、GPS観測結果や地震波形データから推定される断層モデルも、これとほぼ整合している。
○ 地質学的な現地調査によると、輪島市門前町から志賀町にかけての能登半島北西岸で最大隆起量約40cm、最大沈降量約10cmの上下変位が確認された。
○ 能登半島西方沖には、北東―南西方向に延びる南東傾斜の逆断層が海底活断層として認められており、震源域付近での海底音波探査でも、この断層が長さ18km以上に及ぶ活断層として再確認された。臨時海底地形調査と海底音波探査からこの活断層の一部でわずかな変動が現れたことが確認された。臨時の海底地震観測及び陸上地震観測結果から、余震分布の延長上にこの活断層が位置していることが分かった。また、陸域観測技術衛星「だいち」による地殻変動観測結果により得られたすべり量分布などから、今回の地震はこの断層が活動したものと判断される。
○ 今回の地震の北東側では1729年の地震(M6.6〜7)、1993年のM6.6の地震が発生しているが、能登半島およびその周辺で1600年以降、M7を超える地震は知られていない。
三重県中部の地震活動 【2007年4月15日、M5.4】
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○ 4月15日に三重県中部の深さ約15kmでM5.4の地震が発生した。地震活動は本震−余震型で経過し、余震活動はほぼ収まった。これまでの最大の余震は、15日に発生したM4.6の地震である。本震の発震機構は北東―南西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。震源の東側には、北北東−南南西走向、西傾斜の逆断層型の布引山地東縁断層帯東部が存在している。また、周辺のGPS観測結果には、この地震の前後で、特に変化は認められない。
(注)GPS観測結果の記述は2007年5月9日時点のものである。
宮古島北西沖の地震活動 【2007年4月20日、最大M6.7】 |
○ 4月20日10時45分に宮古島北西沖でM6.7の地震が発生した。また同日09時26分、11時23分にもM6.3、M6.1の地震が発生するなど、活発な地震活動が見られたが、4月末までにほぼ収まった。最大の地震(M6.7)の発震機構は北北西―南南東方向に張力軸を持つ正断層型であり、沖縄トラフの拡大に伴う地震と考えられる。GPS観測結果によると、この地震活動に伴い、先島諸島でごくわずかな変動が観測された。M6.7の地震に伴い、津波予報(津波注意報)が発表されたが、津波は観測されなかった。
(注)GPS観測結果の記述は2007年6月13日時点のものである。
新潟県中越沖地震の地震活動 【2007年7月16日、M6.8】
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○ 7月16日10時13分頃に新潟県上中越沖の深さ約10kmでM6.8の地震が発生し、新潟県と長野県で最大震度6強を観測した。本震の発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で地殻内の浅い地震である。
○ 地震活動は本震−余震型で、余震活動はほぼ収まった。今回の余震活動は、地殻内で発生したほぼ同じ規模の他の地震と比べると活発ではない。余震は北東―南西方向の長さ約30kmに分布しており、南東傾斜と北西傾斜の2つの面状に分布している。8月8日14時までの最大の余震は7月16日15時37分頃に発生したM5.8の地震で、南東傾斜の余震域の深い場所で発生した。
○ GPS観測の結果によると、本震の発生に伴って、柏崎市の沿岸部で最大北西方向へ約17cm移動した。現地調査や水準測量の結果から、柏崎市
(注)GPS観測結果の記述は2007年9月10日時点のものである。
○ 陸域観測技術衛星「だいち」に搭載された合成開口レーダ(SAR)のデータから、新潟県中越沖地震の震源域の東側にある西山丘陵の西側斜面の
○ この地震により、柏崎と小木で高さ0.3mなど、新潟県沿岸を中心に弱い津波を観測した。なお、柏崎(新潟県管轄)では高さ約1mの津波を観測した。
○ 今回の地震に伴い、柏崎市
○ 平成19年(2007年)新潟県中越沖地震(以下、新潟県中越沖地震)は、大局的には南東傾斜(海から陸に向かって深くなる傾斜)の逆断層運動により発生した。また、震源域北東部では北西傾斜(陸から海に向かって深くなる傾斜)の断層も活動したと考えられる。
今回の地震に伴う、海底でのずれは確認できなかった。しかし、余震分布から推定される南東傾斜の断層面の浅部延長は、既知の活断層に連続している可能性がある。
以下に新潟県中越沖地震の断層面の評価に関係する各解析結果のまとめを記述する。
● 臨時の海底及び陸上地震観測に基づき得られた詳細な震源分布によると、余震は、全体的な傾向としては、南東傾斜の断層面上で発生している。震源域北東部では、余震が北西傾斜の面上でも発生している。
● 震源分布を参照した地殻変動解析結果でも、南東傾斜の断層に加え、震源域北東部に北西傾斜の断層を考慮することで、データをより良く説明できる。
● 強震動波形データなどの解析から、大局的には南東傾斜面が震源断層面であると推定される。なお、この解析結果は、余震分布や地殻変動データ解析が示唆する震源域北東部の北西傾斜の断層の存在を否定しない。
● 津波データ解析から、震源域北東部では北西側に沈降域が、震源域南西部では北西側に隆起域が存在していると推定される。津波データ解析からだけでは、断層面が北西傾斜か南東傾斜かを決定するのは困難である。震源域南部では、より沖合いの堆積層の背斜構造に沿って、約20cm程度の海底が盛り上がったことが、詳細な津波データ解析から推定され、ここでは南東傾斜の断層のごく浅い部分にまで、ずれが及んだ可能性がある。
● 海域での構造探査によると、震源域北西側には、震源断層とほぼ同じ方向に延びる活断層や活褶曲構造が見られる。これらの活構造は、主に南東傾斜の逆断層運動によって形成されてきたと推定される。
今回の地震に伴う、海底でのずれは確認できなかった。しかし、余震分布から推定される南東傾斜の断層面の浅部延長は、上記の活断層に連続している可能性がある。
○ 本震の震源過程の解析結果と余震分布から、主な破壊は北東から南西方向に進んだと考えられる。
○ 日本海東縁部にはひずみ集中帯と呼ばれる活構造が存在しており、今回の地震はこの構造の一部が関係していると考えられる。
○ 今回の地震の東側では平成16年(2004年)新潟県中越地震が発生しているが、今回の地震を誘発させたものではないと思われる。
サハリン西方沖〔サハリン南部付近〕の地震活動 【2007年8月2日、M6.4】 |
○ 8月2日にサハリン西方沖〔サハリン南部付近〕でM6.4の地震が発生した。発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。米国海洋大気庁(NOAA)によると、この地震に伴い、サハリン南部で弱い津波を観測した。北海道の日本海沿岸とオホーツク海沿岸でも潮位変動が観測されたが、これらは地震による津波の到達前に確認され、大きな波高値を示していた。当時、観測データに基づき津波予報(津波注意報)が発表されたが、気圧変動などの観測データを見ると、これは主に気象擾乱によって励起されたものと考えられる。
九十九里浜付近〔千葉県東方沖〕の地震活動 【2007年8月16日、最大M5.3】
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○ 8月13日頃から、九十九里浜付近〔千葉県東方沖〕で、16日のM5.3を最大とするやや活発な地震活動があった。また、18日のM4.8の地震により、最大震度5弱を観測した。これらの地震の発震機構は概ね北北西―南南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界付近で発生した地震と考えられる。また、この地震活動と同時期に房総半島で地殻変動が観測された。この領域ではやや活発な地震活動がスロースリップと同期して発生しており、最近では1996年や2002年にも発生している。今回も、この地震活動と同時期にスロースリップが発生したものと思われる。このスロースリップの規模はMw(モーメントマグニチュード)6.4程度であったと推定される。
ペルー沿岸の地震活動 【2007年8月16日、M8.0】
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○ 8月16日にペルー沿岸でM8.0の地震が発生し、日本の太平洋沿岸全域で弱い津波を観測した。ペルー沿岸では2001年6月24日にもM8.2の地震が発生し、同程度の津波を観測している。
神奈川県西部の地震活動 【2007年10月1日、M4.9】
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○ 10月1日に神奈川県西部の深さ約15kmでM4.9の地震が発生した。発震機構は北北西―南南東方向に圧力軸を持つ型で、フィリピン海プレートの沈み込みに伴う地震である。余震は本震発生直後数時間活発であったが、2日程度でほぼ収まっている。