平成24年7月10日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 |
目立った活動はなかった。
目立った活動はなかった。
○ 6月18日に宮城県沖の深さ約45kmでM6.2の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 6月1日に千葉県北西部〔茨城県南部〕の深さ約45kmでM5.1の地震が発生した。この地震の発震機構は北北西−南南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 6月6日に千葉県東方沖でM6.3の地震が発生した。この地震の発震機構は南北方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型であった。
○ 6月17日に茨城県南部の深さ約50kmでM4.5の地震が発生した。この地震の発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 6月29日に千葉県南部のごく浅いところでM4.5の地震が発生した。この地震の発震機構は北北東−南南西方向に圧力軸を持つ型で、地殻内で発生した地震である。
○ 東海地方のGNSS観測結果等には、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測されていない。
目立った活動はなかった。
○ 6月4日15時51分に宮崎県南部山沿いの深さ約10kmでM4.4の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に張力軸を持つ型で、地殻内で発生した地震である。また、同日14時09分にM3.8の地震が発生した。
○ 6月10日に台湾付近の深さ約70kmでM6.0の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。
○ 7月3日に千葉県南部〔東京湾〕の深さ約90kmでM5.2の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。
注: 〔 〕内は気象庁が情報発表で用いた震央地域名である。
GNSSとは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称である。
平成24年7月10日 地震調査委員会 |
2012年6月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ112回(5月は138回)および10回(5月は29回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は3回(5月は4回)で、2012年は6月までに16回発生している。
(参考) | M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、 |
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、 | |
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値) |
2011年6月以降2012年5月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
− 新潟県中越地方 | 2011年6月2日 M4.7(深さ約5km) |
− 岩手県沖 | 2011年6月23日 M6.9(深さ約35km) |
− 長野県中部 | 2011年6月30日 M5.4(深さ約5km) |
− 和歌山県北部 | 2011年7月5日 M5.5(深さ約5km) |
− 三陸沖 | 2011年7月10日 M7.3 |
− 茨城県南部 | 2011年7月15日 M5.4(深さ約65km) |
− 駿河湾 | 2011年8月1日 M6.2(深さ約25km) |
− 福島県沖 | 2011年8月19日 M6.5(深さ約50km) |
− 日高地方中部 | 2011年9月7日 M5.1(深さ約10km) |
− 茨城県北部 | 2011年9月21日 M5.2(深さ約10km) |
− 福島県浜通り | 2011年9月29日 M5.4(深さ約10km) |
− 熊本県熊本地方 | 2011年10月5日 M4.5(深さ約10km) |
− 茨城県北部 | 2011年11月20日 M5.3(深さ約10km) |
− 広島県北部 | 2011年11月21日 M5.4(深さ約10km) |
− 浦河沖 | 2011年11月24日 M6.2(深さ約45km) |
− 福島県沖 | 2012年1月23日 M5.1(深さ約50km) |
− 山梨県東部・富士五湖 | 2012年1月28日 M5.4(深さ約20km) |
− 佐渡付近 | 2012年2月8日 M5.7(深さ約15km) |
− 茨城県北部 | 2012年2月19日 M5.2(深さ約5km) |
− 茨城県沖 | 2012年3月1日 M5.3(深さ約55km) |
− 茨城県北部 | 2012年3月10日 M5.4(深さ約5km) |
− 三陸沖 | 2012年3月14日 M6.9 |
− 千葉県東方沖 | 2012年3月14日 M6.1(深さ約15km) |
− 岩手県沖 | 2012年3月27日 M6.6(深さ約20km) |
− 福島県沖 | 2012年4月1日 M5.9(深さ約55km) |
− 千葉県北東部 | 2012年4月29日 M5.8(深さ約50km) |
− 青森県東方沖 | 2012年5月24日 M6.1(深さ約60km) |
北海道地方では特に補足する事項はない。
−福島県浜通りから茨城県北部の領域にかけて、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の発生後から活発な地震活動が続いている。
−平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の余震域では、活発な地震活動が見られる。今後も引き続き規模の大きな余震が発生する恐れがあり、強い揺れや高い津波に見舞われる可能性がある。また、引き続き東北地方から関東・中部地方の広い範囲で、余効変動と考えられる東向きの地殻変動が観測されているが、徐々に小さくなってきている。
「東海地方のGNSS観測結果等には、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測されていない。」:
(なお、これは、6月25日に開催された定例の地震防災対策強化地域判定会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成24年6月25日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測されていません。
1.地震活動の状況
静岡県中西部の地殻内では、全体的にみて、2005年中頃からやや活発な状態が続いています。
浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度のやや少ない状態が続いています。
その他の領域では概ね平常レベルです。
2.地殻変動の状況
全般的に注目すべき特別な変化は観測されていません。
GNSS※観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向は継続しています。更に、傾斜計、ひずみ計等の観測結果を含めて総合的に判断すると、東海地震の想定震源域におけるフィリピン海プレートと陸のプレートとの固着状況の特段の変化を示すようなデータは、現在のところ得られていません。
なお、GNSS※観測の結果によると、「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」による余効変動が、小さくなりつつありますが東海地域においてもみられています。
※GNSS(Global Navigation Satellite Systems)とはGPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称。」
近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。
九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。
参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上または最大震度が4以上のもの。内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。