平成23年3月13日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の評価

○ 3月11日14時46分頃に三陸沖の深さ約25kmでマグニチュード(M)9.0(暫定)の地震が発生した。今回の本震の規模はこれまでに日本国内で観測された最大の地震である。この地震により宮城県栗原市で最大震度7を観測した。また、相馬で7.3m以上、大洗で4.2m、釜石で4.1m以上などの高い津波を北海道地方、東北地方、関東地方の太平洋沿岸で観測した。

○ 発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

○ 3月13日15時現在、最大の余震は11日15時08分に発生したM7.5(暫定)の地震で、岩手県から茨城県にかけての太平洋沖でM7.0以上の地震が3回発生しており、M6.0以上の余震が40回(暫定値)発生している。余震域は南北約500kmにわたっている。今後も規模の大きな余震が発生する恐れがある。

○ GPS観測の結果によると、本震の発生に伴って、志津川観測点(宮城県)が約4.4m東南東に移動するなどの地殻変動が観測されている。また、岩手県から福島県にかけての沿岸で最大約75cmの沈降も観測されており、津波がおさまった後も引き続き浸水している地域がある。

○ 今回の地震の震源域は、岩手県沖から茨城県沖までに及んでいる。地震波及び地殻変動などによる様々な解析結果があるが、その長さは約400km、幅は約200kmで、最大の滑り量は約20m以上であったと推定される。地震調査委員会で評価している宮城県沖・その東の三陸沖南部海溝寄り、福島県沖、茨城県沖の領域を震源域としたと考えられるが、更に三陸沖中部や、三陸沖北部から房総沖の海溝寄りの一部にまで及んでいる可能性もある。