平成22年9月9日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2010年8月の地震活動の評価

1.主な地震活動

目立った活動はなかった。

補足説明へ

2.各地方別の地震活動

(1)北海道地方

○ 8月14日に日高地方西部〔胆振地方中東部〕の深さ約110kmでマグニチュード(M)4.6の地震が発生した。この地震の発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。

補足説明へ

(2)東北地方

○ 8月10日に三陸沖でM6.3の地震が発生した。

補足説明へ

(3)関東・中部地方

○ 8月3日に茨城県北部の深さ約80kmでM4.6の地震が発生した。この地震の発震機構は太平洋プレートの沈み込む方向に圧力軸を持つ型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。

○ 8月14日に父島近海の深さ約110kmでM5.2の地震が発生した。この地震の発震機構は北東−南西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。

○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。

補足説明へ

(4)近畿・中国・四国地方

目立った活動はなかった。

補足説明へ

(5)九州・沖縄地方

目立った活動はなかった。

補足説明へ

補足

○ 9月1日に宮城県沖の深さ約45kmでM5.0の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

○ 9月4日に釧路沖でM5.1の地震が発生した。


注:〔 〕内は気象庁が情報発表で用いた震央地域名である。




2010年8月の地震活動の評価についての補足説明

平成22年9月9日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

2010年8月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
 M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ94回(7月は75回)および9回(7月は13回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は1回で、2010年は8月までに13回発生している。

(参考) M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値)

2009年8月以降2010年7月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

− 駿河湾 2009年8月11日M6.5(深さ約25km)
− 八丈島東方沖 2009年8月13日M6.6
− 石垣島近海 2009年8月17日M6.7,M6.6
− 伊豆半島東方沖  2009年12月17日M5.0、18日M5.1などの地震活動
− 石垣島近海  2010年2月7日M6.5
− 沖縄本島近海  2010年2月27日M7.2
− チリ中部沿岸  2010年2月27日Mw8.8
− 福島県沖  2010年3月14日M6.7
− 福島県沖  2010年6月13日M6.2
− 千葉県北東部  2010年7月23日M4.9

本文へ

2 各地方別の地震活動

(1)北海道地方

北海道地方では特に補足する事項はない。

本文へ

(2)東北地方

−岩手・秋田県境付近で、7月31日頃からM3.6を最大とする、やや活発な地震活動が見られていたが、活動は収まってきている。

本文へ

(3)関東・中部地方

「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
 (なお、これは、8月31日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)

(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成22年8月31日気象庁地震火山部)

「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。

1.地震活動の状況
 静岡県中西部の地殻内では、全体的にみて、2005年中頃からやや活発な状態が続いています。
 浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度のやや少ない状態が続いています。その他の領域では概ね平常レベルです。

2.地殻変動の状況
 全般的に注目すべき特別な変化は観測されていません。
 GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。」

本文へ

(4)近畿・中国・四国地方

−豊後水道周辺で2009年秋頃から見られている非定常的な地殻変動は、引き続き観測されている。この変化は、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界におけるゆっくりとした滑り(スロースリップ)に起因するものと考えられる。

本文へ

(5)九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。

本文へ


参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
 @M6.0以上または最大震度が4以上のもの。A内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。B海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。

参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
 1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
 2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
 3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。