平成22年11月10日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 |
○ 10月3日に新潟県上越地方でマグニチュード(M)4.7の地震が発生し、新潟県で最大震度5弱を観測した。
○ 10月4日に宮古島近海でM6.4の地震が発生した。
○ 10月14日に日高地方東部〔十勝地方南部〕の深さ約55kmでM5.5の地震が発生した。この地震の発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
目立った活動はなかった。
○ 10月3日に新潟県上越地方の深さ約20kmでM4.7の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。
○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。
○ 10月6日に土佐湾の深さ約5kmでM4.5の地震が発生した。この地震の発震機構は東北東−西南西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。
○ 10月4日に宮古島近海でM6.4の地震が発生した。この地震の発震機構は北東−南西方向に圧力軸を持つ型であった。
○ 11月5日に茨城県南部の深さ約45kmでM4.6の地震が発生した。この地震の発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
注:〔 〕内は気象庁が情報発表で用いた震央地域名である。
平成22年11月10日 地震調査委員会 |
2010年10月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ76回(9月は112回)および6回(9月は13回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は1回で、2010年は10月までに14回発生している。
(参考) | M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、 |
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、 | |
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値) |
2009年10月以降2010年9月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
− 伊豆半島東方沖 | 2009年12月17日M5.0、18日M5.1などの地震活動 |
− 石垣島近海 | 2010年2月7日M6.5 |
− 沖縄本島近海 | 2010年2月27日M7.2 |
− チリ中部沿岸 | 2010年2月27日Mw8.8 |
− 福島県沖 | 2010年3月14日M6.7(深さ約40km) |
− 福島県沖 | 2010年6月13日M6.2(深さ約40km) |
− 千葉県北東部 | 2010年7月23日M5.0(深さ約35km) |
北海道地方では特に補足する事項はない。
福島県中通りで9月29日頃からM5.7を最大とする活発な地震活動が見られていたが、活動は徐々に減衰している。
「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
(なお、これは、10月25日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成22年10月25日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
1.地震活動の状況
静岡県中西部の地殻内では、全体的にみて、2005年中頃からやや活発な状態が続いていましたが、今年春頃からは、平常に戻る傾向が見られています。
浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度のやや少ない状態が続いています。その他の領域では概ね平常レベルです。
2.地殻変動の状況
全般的に注目すべき特別な変化は観測されていません。
GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。」
−伊豆大島近海で、10月17日夕方から18日未明にかけて、地震活動が一時活発となった。最大の地震は、17日に発生したM3.1の地震であった。伊豆大島近海においては、最近では2004年2月および7月、2006年6月、2007年7月頃にも同様な活動があった。
−豊後水道周辺で2009年秋頃から見られている非定常的な地殻変動は、引き続き観測されている。この変化は、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界におけるゆっくりとした滑り(スロースリップ)に起因するものと考えられる。
「10月4日に宮古島近海でM6.4の地震が発生した。(以下、略)」:
この地震に伴い、津波注意報が発表されたが、津波は観測されなかった。またこの付近では2009年8月5日にM6.5の地震が発生している。
参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上または最大震度が4以上のもの。内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。