平成22年5月12日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2010年4月の地震活動の評価

1.主な地震活動

目立った活動はなかった。

補足説明へ

2.各地方別の地震活動

(1)北海道地方

○ 4月9日に釧路沖の深さ約55kmでマグニチュード(M)4.8の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

補足説明へ

(2)東北地方

○ 4月26日に宮城県沖の深さ約75kmでM5.1の地震が発生した。この地震の発震機構は北北西−南南東方向に張力軸を持つ型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。

補足説明へ

(3)関東・中部地方

○ 4月16日に新潟県下越地方の深さ約10kmでM4.6の地震が発生した。この地震は地殻内で発生した地震である。

○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。

補足説明へ

(4)近畿・中国・四国地方

目立った活動はなかった。

補足説明へ

(5)九州・沖縄地方

○ 4月26日に石垣島南方沖でM6.6の地震が発生した。この地震の発震機構は南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震である。

補足説明へ

補足

○ 5月1日に新潟県中越地方の深さ約10kmでM4.9の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。

○ 5月3日に鳥島近海でM6.1の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。

補足説明へ




2010年4月の地震活動の評価についての補足説明

平成22年5月12日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

2010年4月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
 M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ85回(3月は99回)および6回(3月は18回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は1回で、2010年は4月までに7回発生している。

(参考)M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値)

2009年4月以降2010年3月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

− 駿河湾 2009年8月11日M6.5(深さ約25km)
− 八丈島東方沖 2009年8月13日M6.6
− 石垣島近海 2009年8月17日M6.7,M6.6
− 伊豆半島東方沖  2009年12月17日M5.0、18日M5.1などの地震活動
− 石垣島近海  2010年2月7日M6.5
− 沖縄本島近海  2010年2月27日M7.2
− チリ中部沿岸  2010年2月27日Mw8.8
− 福島県沖  2010年3月14日M6.7

本文へ

2 各地方別の地震活動

(1)北海道地方

北海道地方では特に補足する事項はない。

本文へ

(2)東北地方

東北地方では特に補足する事項はない。

本文へ

(3)関東・中部地方

「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
 (なお、これは、4月22日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)

(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成22年4月22日気象庁地震火山部)

「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。

1.地震活動の状況
 静岡県中西部の地殻内では、全体的にみて、2005年中頃からやや活発な状態が続いています。
 浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度のやや少ない状態が続いています。
 その他の領域では概ね平常レベルです。

2.地殻変動の状況
 全般的に注目すべき特別な変化は観測されていません。
 GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。」

本文へ

(4)近畿・中国・四国地方

−豊後水道周辺で2009年秋頃から見られている非定常的な地殻変動は、引き続き観測されている。この変化は、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界におけるゆっくりとした滑り(スロースリップ)に起因するものと考えられる。

本文へ

(5)九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。

本文へ

補足

「5月1日に新潟県中越地方の深さ約10kmでM4.9の地震が発生した。(以下、略)」:
 今回の地震は、平成16年(2004年)新潟県中越地震の余震域から北東方向に約20km離れた場所で発生した。

本文へ


参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
 @M6.0以上または最大震度が4以上のもの。A内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。B海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。

参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
 1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
 2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
 3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。