平成22年1月12日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 |
12月17日頃から20日頃まで伊豆半島東方沖で活発な地震活動があり、17日23時45分頃にマグニチュード(M)5.0、18日08時45分頃にM5.1の地震が発生した。これらの地震により、それぞれ静岡県で震度5弱を観測し、被害を伴った。
○ 12月28日に釧路支庁中南部の深さ約85kmでM5.0の地震が発生した。この地震は太平洋プレート内部で発生した地震である。この地震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ型であった。
目立った活動はなかった。
○ (12月17日頃から始まった伊豆半島東方沖の地震活動については、別項を参照)
○ 12月18日に栃木県南部の深さ約80kmでM5.1の地震が発生した。この地震はフィリピン海プレート内部で発生した地震と考えられる。この地震の発震機構は北北西−南南東方向に圧力軸を持つ型であった。
○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。
○ 12月16日に土佐湾の深さ約30kmでM4.6の地震が発生した。この地震の発震機構は南北方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震である。
○ 12月19日に台湾付近でM6.7の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。
○ 12月24日に日本海北部の深さ約380kmでM6.1の地震が発生した。この地震の発震機構は太平洋プレートの沈み込む方向に圧力軸を持つ型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。
○ 1月7日に奄美大島近海でM4.8の地震が発生した。
平成22年1月12日 地震調査委員会 |
2009年12月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ79回(11月は59回)および8回(11月は4回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は2回で、2009年は17回発生した。
(参考) | M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、 |
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、 | |
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値) |
2008年12月以降2009年11月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
− 駿河湾 | 2009年8月11日M6.5(深さ約25km) |
− 八丈島東方沖 | 2009年8月13日M6.6 |
− 石垣島近海 | 2009年8月17日M6.7,M6.6 |
東北地方では特に補足する事項はない。
東北地方では特に補足する事項はない。
「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
(なお、これは、12月21日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成21年12月21日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
1.地震活動の状況
静岡県中西部の地殻内では、全体的にみて、2005年中頃からやや活発な状態が続いています。12月10日に静岡県西部の地殻内で、震度1以上の地震が4回発生しました(00時35分M3.0、最大震度1、05時06分M2.4、最大震度1、05時55分M3.7、最大震度3、06時00分M3.3、最大震度2)。これらの地震の前後で歪計による変化は観測されていません。今回の震源付近では、2007年11月中旬から2008年2月上旬にかけて活発な地震活動があり、震度3から1の地震が30回発生しました(最大の地震は2008年1月27日に発生したM4.2、最大震度3)。
浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度のやや少ない状態が続いています。
その他の領域では概ね平常レベルです。
なお、伊豆半島東方沖で、12月17日から地震活動が活発化し、12月17日にM5.0、12月18日にM5.1の地震が発生しました。地震活動は、12月20日以降低下しています。
2.地殻変動の状況
全般的に注目すべき特別な変化は観測されていません。
GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。
なお、伊豆半島東方沖の地震活動に関連して、伊豆半島東部のGPS、歪計、傾斜計、地下水位等で、変化が観測されました。」
近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。
九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。
参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上または最大震度が4以上のもの。内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。