平成22年12月9日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2010年11月の地震活動の評価

1.主な地震活動

目立った活動はなかった。

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2.各地方別の地震活動

(1)北海道地方

○ 11月19日に根室半島南東沖の深さ約55kmでマグニチュード(M)4.8の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

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(2)東北地方

目立った活動はなかった。

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(3)関東・中部地方

○ 11月5日に茨城県南部の深さ約45kmでM4.6の地震が発生した。この地震の発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

○ 11月24日に茨城県沖の深さ約45kmでM4.9の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

○ 11月30日に小笠原諸島西方沖の深さ約490kmでM7.1の地震が発生した。この地震の発震機構は太平洋プレートの沈み込む方向に圧力軸を持つ型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。

○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。

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(4)近畿・中国・四国地方

目立った活動はなかった。

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(5)九州・沖縄地方

目立った活動はなかった。

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補足

○ 12月2日に石狩地方中部の深さ約5kmでM4.6の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。

○ 12月6日に青森県東方沖でM5.8の地震が発生した。

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2010年11月の地震活動の評価についての補足説明

平成22年12月9日
地震調査委員会

1.主な地震活動について

2010年11月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
 M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ60回(10月は76回)および7回(10月は6回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は1回で、2010年は11月までに15回発生している。

(参考) M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値)

2009年11月以降2010年10月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

− 伊豆半島東方沖  2009年12月17日M5.0、18日M5.1などの地震活動
− 石垣島近海  2010年2月7日M6.5
− 沖縄本島近海  2010年2月27日M7.2
− チリ中部沿岸  2010年2月27日Mw8.8
− 福島県沖  2010年3月14日M6.7(深さ約40km)
− 福島県沖  2010年6月13日M6.2(深さ約40km)
− 千葉県北東部  2010年7月23日M5.0(深さ約35km)
− 新潟県上越地方  2010年10月3日M4.7(深さ約20km)
− 宮古島近海  2010年10月4日M6.4

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2.各地方別の地震活動

(1)北海道地方

北海道地方では特に補足する事項はない。

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(2)東北地方

東北地方では特に補足する事項はない。

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(3)関東・中部地方

「11月30日に小笠原諸島西方沖の深さ約490kmでM7.1の地震が発生した。(以下、略)」:
 東から西へ沈み込む太平洋プレートは地震波をよく伝えるため、東北から関東地方にかけての太平洋側で揺れが大きくなった(異常震域)。

「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
 (なお、これは、11月22日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)

(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成22年11月22日気象庁地震火山部)

「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。

1.地震活動の状況
 静岡県中西部の地殻内では、全体的にみて、2005年中頃からやや活発な状態が続いていましたが、今年春頃からは、平常に戻る傾向が見られています。
 浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度のやや少ない状態が続いています。
 その他の領域では概ね平常レベルです。
 なお、愛知県から長野県南部のプレート境界付近で11月11日から深部低周波地震が観測され、現在も継続しています。この付近では、本年4月下旬から5月はじめにかけて深部低周波地震がまとまって観測されています。

2.地殻変動の状況
 全般的に注目すべき特別な変化は観測されていません。
 GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。
 なお、上記の深部低周波地震活動と同期して、愛知県のプレート境界付近における「短期的ゆっくり滑り」に起因するとみられる地殻変動が11月13日から周辺の歪計で観測されており、現在も継続しています。「短期的ゆっくり滑り」に起因する地殻変動が観測されたのは、本年4月以来です。」

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(4)近畿・中国・四国地方

−豊後水道周辺で2009年秋頃から見られている非定常的な地殻変動は、全般的にはほぼ収まったように見える。この地殻変動はフィリピン海プレートと陸のプレートの境界におけるゆっくりとした滑り(スロースリップ)に起因するものと考えられる。

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(5)九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。

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補足

「12月2日に石狩地方中部の深さ約5kmでM4.6の地震が発生した。(以下、略)」:
 この地震のあと、7日までに震度1以上を観測する地震が6回観測された。

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参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
 @M6.0以上または最大震度が4以上のもの。A内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。B海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。

参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
 1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
 2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
 3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。