平成21年10月8日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 |
目立った活動はなかった。
○ 9月8日に日高支庁東部の深さ約50kmでマグニチュード(M)4.8の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 9月29日に根室支庁北部の深さ約5kmでM4.5の地震が発生した。
目立った活動はなかった。
○ 9月4日に千葉県北西部の深さ約65kmでM4.5の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生した地震である。
○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。
目立った活動はなかった。
○ 9月3日に薩摩半島西方沖の深さ約170kmでM6.0の地震が発生した。この地震の発震機構はフィリピン海プレートの沈み込む方向に張力軸を持つ型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震である。
○ 9月29日に沖縄本島北西沖でM6.1の地震が発生した。この地震の発震機構は北西−南東方向に張力軸を持つ正断層型で、沖縄トラフの拡大に伴う地震と考えられる。
○ 9月30日02時48分(日本時間)にサモア諸島でM8.0(アメリカ地質調査所による)の地震が発生し、日本の太平洋沿岸全域で津波を観測した。
○ 10月4日に台湾付近でM6.3の地震が発生した。
平成21年10月8日 地震調査委員会 |
2009年9月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ78回(8月は107回)および8回(8月は25回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は2回で、2009年は9月までに13回発生している。
(参考) | M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、 |
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、 | |
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値) |
2008年9月以降2009年8月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
− 十勝沖 | 2008年9月11日M7.1 |
− 駿河湾 | 2009年8月11日M6.5(深さ約25km) |
− 八丈島東方沖 | 2009年8月13日M6.6 |
− 石垣島近海 | 2009年8月17日M6.7,M6.6 |
北海道地方では特に補足する事項はない。
東北地方では特に補足する事項はない。
「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
(なお、これは、9月28日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成21年9月28日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
1.地震活動の状況
8月11日に駿河湾でマグニチュード(M)6.5の地震が発生しましたが、その後、余震は減少しております。
浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では地震の発生頻度が引き続き少ない状態になっています。一方、静岡県中西部の地殻内とフィリピン海プレート内、愛知県のフィリピン海プレート内では、地震活動がやや活発な状態となっています。その他の地域では概ね平常レベルです。
なお、8月30日から9月2日にかけて三重県で、また、8月31日から9月2日にかけて愛知県西部で深部低周波地震が発生しました。この付近では、本年5月から6月にかけて深部低周波地震が発生しています。
2.地殻変動の状況
8月11日に発生した駿河湾の地震(M6.5)に伴う地殻変動以降は、全般的に注目すべき特別な変化は観測されていません。
GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。
なお、上記の深部低周波地震活動と同期して、プレート境界付近における「短期的ゆっくり滑り」に起因すると見られる地殻変動が8月30日から31日と、9月1日から2日にかけて周辺の歪計で観測されました。「短期的ゆっくり滑り」に起因する地殻変動が観測されたのは、本年6月上旬以来です。」
−8月11日に発生した駿河湾の地震(M6.5)の余震活動は減衰してきている。
近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。
「9月29日に沖縄本島北西沖でM6.1の地震が発生した。(以下、略)」:
この付近では、8月18日頃から小規模な地震活動が発生していた。
−大分県西部の深さ約10kmの地殻内において、8月下旬頃からM3.9(8月31日)を最大とする地震活動が発生している。ほぼ同じ場所で、今年6月から7月にかけてもM4.7を最大とする地震活動が発生していた。
参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上または最大震度が4以上のもの。内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。