平成21年3月9日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 |
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 2月28日に日高支庁西部の深さ約110kmでマグニチュード(M)5.3の地震が発生した。この地震の発震機構は北北東−南南西方向に張力軸を持つ型で、太平洋プレート内部で発生した地震である。 補足説明へ
○ 2月15日に岩手県沖の深さ約35kmでM5.9の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 2月17日に福島県沖の深さ約50kmでM4.9の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。 補足説明へ
○ 2月1日に茨城県沖の深さ約45kmでM5.8の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 2月17日に千葉県南部の深さ約30kmでM4.6の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に張力軸を持つ正断層型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震と考えられる。
○ 2月18日に岐阜県美濃中西部〔福井県嶺北〕の深さ約10kmでM5.2の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内で発生した地震である。
○ 2月24日に新潟県中越地方の深さ約10kmでM3.4の地震が発生した。
○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
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注:〔 〕内は気象庁が情報発表で用いた震央地域名である。
平成21年3月9日
地震調査委員会
2009年2月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ66回(1月は73回)および9回(1月は8回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は0回で、2009年は2月までに1回発生している。
(参考) | M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、 |
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、 | |
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値) |
2008年2月以降2009年1月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
− 茨城県沖 | 2008年5月8日M7.0 |
− 岩手・宮城内陸地震 | 2008年6月14日M7.2(深さ約10km) |
− 茨城県沖 | 2008年7月5日M5.2(深さ約50km) |
− 沖永良部島付近 | 2008年7月8日M6.1(深さ約45km) |
− 福島県沖 | 2008年7月19日M6.9 |
− 岩手県中部 | 2008年7月24日M6.8(深さ約110km) |
− 十勝沖 | 2008年9月11日M7.1 |
北海道地方では特に補足する事項はない。
「2月15日に岩手県沖の深さ約35kmでM5.9の地震が発生した。(以下、略)」:
今回の地震は、「平成6年(1994年)三陸はるか沖地震」(M7.6)の余震域内で発生した。また、この付近では、同地震の最大余震(1995年1月7日、M7.2、最大震度5)が発生している。
「2月18日に岐阜県美濃中西部〔福井県嶺北〕の深さ約10kmでM5.2の地震が発生した。(以下、略)」:
余震分布と発震機構解より、今回の地震は右横ずれ断層型で活動したと考えられる。
「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
(なお、これは、2月23日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成21年2月23日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
1.地震活動の状況
全般的には顕著な地震活動はありません。
静岡県中西部のフィリピン海プレート内ではマグニチュード3.5以上の地震の発生頻度が引き続き少ない状態が続いています。また、浜名湖周辺のフィリピン海プレート内でも地震の発生頻度が引き続き少ない状態になっています。一方、静岡県中西部の地殻内では地震活動が活発な状態が続いています。その他の地域では概ね平常レベルです。
なお、想定震源域周辺の山梨県中・西部で2月16日にマグニチュード3.8、18日にマグニチュード3.5の地震が発生するなどの活動がありましたが、前後に歪計による特別な変化は観測されておらず、東海地震への直接的影響はないと考えられます。また、愛知県のプレート境界付近で2月5日から14日にかけて深部低周波地震が観測されました。
2.地殻変動の状況
全般的には注目すべき特別な変化は観測されていません。
GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。
なお、愛知県のプレート境界付近における「短期的ゆっくり滑り」に起因すると見られる地殻変動が2月6日頃から16日頃にかけて周辺の歪計等で観測されました。この付近では同様の現象が昨年8月末から9月初めにかけても観測されています。」
近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。
九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。
参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上または最大震度が4以上のもの。内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。