平成21年8月10日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 |
目立った活動はなかった。
○ 7月28日に松前沖〔北海道南西沖〕の深さ約10kmでマグニチュード(M)4.0の地震が発生した。この地震の発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ型で、地殻内で発生した地震である。
目立った活動はなかった。
東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。
○ 7月22日に室戸岬沖〔四国沖〕でM4.6の地震が発生した。
○ 7月14日に台湾付近でM6.5の地震が発生した。この地震の発震機構は南北方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。
○ 8月3日に熊本県天草・芦北地方の深さ約10kmでM4.7の地震が発生した。この地震の発震機構は北北西−南南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内で発生した地震である。
○ 8月5日に宮古島近海でM6.5の地震が発生した。この地震の発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震と考えられる。
○ 8月5日に日向灘の深さ約35kmでM5.0の地震が発生した。この地震の発震機構は東北東−西南西方向に張力軸を持つ型で、フィリピン海プレート内部で発生した地震である。
注:〔 〕内は気象庁が情報発表で用いた震央地域名である。
平成21年8月10日 地震調査委員会 |
2009年7月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ72回(6月は90回)および11回(6月は15回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は1回で、2009年は7月までに5回発生している。
(参考) | M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、 |
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、 | |
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値) |
2008年7月以降2009年6月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
− 茨城県沖 | 2008年7月5日M5.2(深さ約50km) |
− 沖永良部島付近 | 2008年7月8日M6.1(深さ約45km) |
− 福島県沖 | 2008年7月19日M6.9 |
− 岩手県中部 | 2008年7月24日M6.8(深さ約110km) |
− 十勝沖 | 2008年9月11日M7.1 |
北海道地方では特に補足する事項はない。
東北地方では特に補足する事項はない。
「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
(なお、これは、7月27日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成21年7月27日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
1.地震活動の状況
全般的には顕著な地震活動はありません。
静岡県中西部のフィリピン海プレート内ではマグニチュード3.5以上の地震の発生頻度が引き続き少ない状態が続いています。また、浜名湖周辺のフィリピン海プレート内でも地震の発生頻度が引き続き少ない状態になっています。一方、静岡県中西部の地殻内では地震活動がやや活発な状態が続いています。その他の地域では概ね平常レベルです。
2.地殻変動の状況
全般的には注目すべき特別な変化は観測されていません。
GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。」
「7月22日に室戸岬沖〔四国沖〕でM4.6の地震が発生した。」
この地震は南海地震の想定震源域内で発生したが、南海地震の発生に対する影響については、現時点では判断できない。
九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。
−8月2日に新潟県下越沖でM4.9とM4.8の地震が発生した。
注:〔 〕内は気象庁が情報発表で用いた震央地域名である。
参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上または最大震度が4以上のもの。内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。