平成20年2月8日 地震調査研究推進本部 地震調査委員会 |
1月26日に石川県能登地方の深さ約10kmでマグニチュード(M)4.8の地震が発生し、最大震度5弱を観測した。この地震は、「平成19年(2007年)能登半島地震」の余震である。 補足説明へ
○ 1月13日に渡島支庁北部の深さ約10kmでM4.1の地震が発生した。 補足説明へ
○ 1月11日に岩手県沖の深さ約50kmでM4.7の地震が発生した。発震機構は西北西―東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。 補足説明へ
○ 1月26日に石川県能登地方の深さ約10kmでM4.8の地震が発生した。発震機構は西北西―東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、「平成19年(2007年)能登半島地震」の余震である。
○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
平成20年2月8日
地震調査委員会
2008年1月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ67回(12月は72回)および2回(12月は14回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は0回であった。
(参考) | M4.0以上の月回数73回(1996−2005年の10年間の中央値)、 |
M5.0以上の月回数9回(1976−2005年の30年間の中央値)、 | |
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1926−2005年の80年間の平均値) |
2007年1月以降2007年12月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
− 千島列島東方 | 2007年1月13日M8.2 |
− 能登半島地震 | 2007年3月25日M6.9(深さ約10km) |
− 三重県中部 | 2007年4月15日M5.4(深さ約15km) |
− 宮古島北西沖 | 2007年4月20日M6.3,M6.7,M6.1などの地震活動 |
− 新潟県中越沖地震 | 2007年7月16日M6.8(深さ約10km) |
− サハリン西方沖 | 2007年8月2日M6.4 |
− 九十九里浜付近 | 2007年8月16日M5.3,18日M4.8などの地震活動 |
− ペルー沿岸 | 2007年8月16日M8.0 |
− 神奈川県西部 | 2007年10月1日M4.9(深さ約15km) |
北海道地方では特に補足する事項はない。
「1月11日に岩手県沖の深さ約50kmでM4.7の地震が発生した。発震機構は西北西―東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。」:
この場所では、過去約5年半程度の再来間隔で同規模の地震が繰り返し発生しており、近傍では同規模以上の地震が発生していない。この場所には小さな固着域(アスペリティ)が存在していて、同規模の地震が周期的に発生すると考えられている。
−1月27日に静岡県西部の深さ約15kmでM4.1とM4.2の地震が発生した。発震機構は共に東西方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内で発生した地震である。この付近で発生している地震活動は、昨年11月中旬から消長を繰り返しながら続いている。
「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
(なお、これは、1月28日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成20年1月28日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
全般的には顕著な地震活動はありません。静岡県中部では、プレート内で通常より活動レベルが低く、地殻内は活発な状態になっていますが、その他の地域では概ね平常レベルです。
東海地域及びその周辺の地殻変動には注目すべき特別な変化は観測されていません。
なお、昨日(1月27日)静岡県西部で起きた一連の地震活動は地殻内で発生したものであり東海地震に結びつくとは考えられていません。」
近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。
九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。
参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上または最大震度が4以上のもの。内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。