平成18年3月8日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2006年2月の地震活動の評価


1 主な地震活動

目立った活動はなかった。  補足説明へ

2 各地方別の地震活動

(1) 北海道地方

目立った活動はなかった。  補足説明へ

(2) 東北地方

○ 2月13日に山形県庄内地方の深さ約10kmでマグニチュード(M)4.8の地震が発生した。発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型である。 補足説明へ

(3) 関東・中部地方

○ 2月3日に茨城県沖でM5.9の地震が発生した。発震機構は北西―南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートの沈み込みに伴う地震である。地震発生直後の余震活動は、M5.3を最大にM5.0前後の地震が数回観測されるなど活発であったが、その後は次第に減衰してきている。

○ 2月1日に千葉県北西部の深さ約100kmでM5.1の地震が発生した。発震機構はほぼ東西方向に張力軸を持つ型で、太平洋プレート内部の地震である。余震は観測されていない。

○ 2月16日に岐阜県美濃中西部の深さ約15kmでM4.4の地震が発生した。また、18日には、ほぼ同じ場所でM4.1の地震が発生した。余震活動は23日までに収まった。

○ 東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、最近は小さくなっているように見える。 補足説明へ

(4) 近畿・中国・四国地方

○ 2月1日に伊予灘の深さ約45kmでM4.3の地震が発生した。 補足説明へ

(5) 九州・沖縄地方

○ 2月4日に天草灘の深さ約10kmでM5.1の地震が発生した。発震機構は北北西−南南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型である。地震発生直後から比較的規模は小さいものの活発な活動が続き、2月20日のM4.1の地震に伴い一時的に地震回数が増加したが、その後、徐々に活動は低下してきている。 補足説明へ

(6) その他の地域

○ 2月17日に父島近海でM6.0の地震が発生した。

補足

○ 3月2日に和歌山県北部の深さ約5kmでM4.1の地震が発生した。



2006年2月の地震活動の評価についての補足説明

平成18年3月8日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

 2006年2月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
 M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ74回(1月は57回)および8回(1月は4回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は2回で、2006年は2月までにこの2回のみである。

(参考)1971−2000年の30年間の標準的な回数:
M4.0以上の月回数46回、M5.0以上の月回数8回、M6.0以上の月回数1.3回、年回数約16回

2005年2月以降2006年1月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

− 茨城県南部 2005年2月16日M5.4(深さ約45km)
− 福岡県西方沖 2005年3月20日M7.0(深さ約10km)
− 千葉県北東部 2005年4月11日M6.1(深さ約50km)
− 熊本県天草芦北地方  2005年6月 3日M4.8(深さ約10km)
− 新潟県中越地方 2005年6月20日M5.0(深さ約15km)
− 千葉県北西部 2005年7月23日M6.0(深さ約75km)
− 宮城県沖 2005年8月16日M7.2(深さ約40km)
− 新潟県中越地方 2005年8月21日M5.0(深さ約15km)
− 茨城県沖 2005年10月19日M6.3(深さ約50km)
− 三陸沖 2005年11月15日M7.2(補足説明3参照)

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2 各地方別の地震活動

(1) 北海道地方

北海道地方では特に補足する事項はない。

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(2) 東北地方

「2月13日に山形県庄内地方の深さ約10kmでマグニチュード(M)4.8の地震が発生した。発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型である。」:
 この付近では、昨年11月頃から微小な地震が発生しており、今回の地震に伴い一時活発化したが、徐々に活動は低下してきている。

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(3) 関東・中部地方

「東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、最近は小さくなっているように見える。」:
 GPS観測結果によれば、東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動していたが、2001年4月頃から、静岡県西部を中心とする地域の移動について、変化している傾向が見られる。最近は、この長期的な変化は、小さくなっているように見える。
(なお、これは、2月27日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)

(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成18年2月27日気象庁地震火山部)

「 現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
 全般的には顕著な地震活動はありません。浜名湖直下で通常より活動レベルの低い状態が続いていますが、その他の地域では概ね平常レベルです。
 東海地域及びその周辺における、プレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる長期的な地殻変動は、最近は小さくなっているように見えます。 」

関東・中部地方では他に次の地震活動があった。

 −2月19日頃から伊豆半島東方沖で小規模な地震活動が始まった。地震活動とともに、周辺の傾斜計、歪計等に地殻変動が観測された。また、GPS観測結果では、1月から2月にかけて周辺の基線でごくわずかな伸びが観測された。これまでの最大の地震はM2.8(最大震度2)である。伊豆半島東方沖では、1月25日から31日にかけて小規模な地震活動が発生している。

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(4) 近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。

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(5) 九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。

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3 2005年11月15日に発生した三陸沖の地震のマグニチュード変更について

 2005年11月15日に発生した三陸沖の地震のマグニチュードは、「2005年11月の地震活動の評価」以降これまで7.1としていたが、精査の結果、7.2に修正する。

参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
   M6.0以上のもの。または、M4.0以上(海域ではM5.0以上)の地震で、かつ、最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
  1  「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
  2  「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
  3  評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。