平成18年2月8日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会


2006年1月の地震活動の評価


1 主な地震活動

目立った活動はなかった。 補足説明へ

2 各地方別の地震活動

(1) 北海道地方

○ 1月11日に根室支庁中部の深さ約120kmでマグニチュード(M)4.4の地震が発生した。 補足説明へ

(2) 東北地方

○ 1月18日に福島県沖の深さ約35kmでM5.7の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートの沈み込みに伴う地震である。余震活動は、1週間程度でほぼ収まった。 補足説明へ

(3) 関東・中部地方

○ 1月14日に茨城県南部の深さ約50kmでM4.3の地震が発生した。

○ 1月1日に福井県嶺北地方の深さ約10kmでM4.1の地震が発生した。

○ 東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、最近は小さくなっているように見える。 補足説明へ

(4) 近畿・中国・四国地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(5) 九州・沖縄地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

補足

○ 2月1日に千葉県北西部の深さ約100kmでM5.1の地震が発生した。発震機構はほぼ東西方向に張力軸を持つ型で、太平洋プレート内部の地震である。

○ 2月1日に伊予灘の深さ約45kmでM4.3の地震が発生した。

○ 2月3日に茨城県沖でM5.9の地震が発生した。発震機構は北西―南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートの沈み込みに伴う地震である。地震発生直後の余震活動は、M5.3を最大にM5.0前後の地震が数回観測されるなど活発であったが、その後は次第に収まりつつある。

○ 2月4日に天草灘の深さ約10kmでM5.1の地震が発生した。発震機構は北北西−南南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型である。地震発生直後から比較的規模の小さな余震が多数観測されており、活動は消長を繰り返しながら継続している。



2006年1月の地震活動の評価についての補足説明

平成18年2月8日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

 2006年1月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
 M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ57回(12月は95回)および4回(12月は14回)であった。また、M6.0以上の地震は発生しなかった。

(参考)1971−2000年の30年間の標準的な回数:
M4.0以上の月回数46回、M5.0以上の月回数8回、M6.0以上の月回数1.3回、年回数約16回
※今月から、M別の地震発生回数については、データ不足のためM決定精度の悪いものを対象外としています。

2005年1月以降2005年12月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

     − 房総半島南東沖(プレートの三重会合点付近)
2005年1月19日M6.8
− 茨城県南部 2005年2月16日M5.4(深さ約45km)
− 福岡県西方沖 2005年3月20日M7.0(深さ約10km)
− 千葉県北東部 2005年4月11日M6.1(深さ約50km)
− 熊本県天草芦北地方  2005年6月3日M4.8(深さ約10km)
− 新潟県中越地方 2005年6月20日M5.0(深さ約15km)
− 千葉県北西部 2005年7月23日M6.0(深さ約75km)
− 宮城県沖 2005年8月16日M7.2(深さ約40km)
− 新潟県中越地方 2005年8月21日M5.0(深さ約15km)
− 茨城県沖 2005年10月19日M6.3(深さ約50km)
− 三陸沖 2005年11月15日M7.1

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2 各地方別の地震活動

(1) 北海道地方

北海道地方では特に補足する事項はない。

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(2) 東北地方

−2005年8月16日の宮城県沖の地震(M7.2)の後、牡鹿半島周辺のGPS観測点で観測されていたわずかな余効変動は、11月以降鈍化していたが、同年12月2日の余震(M6.6)の後、一時的にやや加速し、1月以降は再び鈍化している。

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(3) 関東・中部地方

「東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、最近は小さくなっているように見える。」:
 GPS観測結果によれば、東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動していたが、2001年4月頃から、静岡県西部を中心とする地域の移動について、変化している傾向が見られる。最近は、この長期的な変化は、小さくなっているように見える。
 なお、1月16日から22日にかけて、愛知県東部で歪・傾斜変化と低周波地震(微動)が観測された。これらは、愛知県東部のプレート境界での短期的なゆっくりとした滑りに起因するものと考えられる。過去にも同様な現象が確認されており、前回は2005年7月に観測されている。
 (なお、これは、1月30日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)

(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成18年1月30日気象庁地震火山部)
「 現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
 全般的には顕著な地震活動はありません。浜名湖直下で通常より活動レベルの低い状態が続いていますが、その他の地域では概ね平常レベルです。
 東海地域及びその周辺における、プレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる長期的な地殻変動は、最近は小さくなっているように見えます。
 なお1月16日から22日にかけて、愛知県東部でプレート境界の短期的なゆっくり滑りに起因すると見られる歪変化と低周波地震活動が観測されました。同様の現象は過去約6年間に21回確認されており、前回は昨年7月に観測されています。 」

関東・中部地方では他に次の地震活動があった。

 −1月1日に鳥島近海でM5.9の地震が発生し、伊豆諸島などで微弱な津波を観測した。この付近では、1984年6月13日にM5.9、1996年9月5日にM6.2の地震が発生し、今回と同様に、M6.0程度の規模にもかかわらず津波が観測されている。

 −1月25日から伊豆半島東方沖で小規模な地震活動があった。地震活動とともに、周辺の傾斜計、歪計等に地殻変動が観測された。震度1以上は観測されず、27日にはほぼ収まった。

 −1月7日から23日にかけて、三重・奈良県境から愛知県東部にわたり、プレート境界の短期的なゆっくりとした滑りを示す傾斜変化が観測され、また、これと同時に低周波地震(微動)も観測された。これらの現象は、時間とともに北東方向へ移動しながら発生した。なお、愛知県東部では、歪変化も同時に観測されている。

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(4) 近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。

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(5) 九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。

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参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
   M6.0以上のもの。または、M4.0以上(海域ではM5.0以上)の地震で、かつ、最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
  1  「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
  2  「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
  3  評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。