平成17年4月13日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会


福岡県西方沖の地震活動の評価



3月20日10時53分頃に福岡県西方沖の深さ約10kmでマグニチュード(M)7.0の地震(最大震度6弱)が発生した(第140回地震調査委員会評価文「2005年3月20日福岡県西方沖の地震の評価」参照)。地震活動は本震−余震型で、余震活動は減衰してきている。これらの地震は、主として玄界灘から志賀島(しかのしま)付近にかけて北西−南東方向に長さ約30kmに線状に分布している。また、本震の約1日後から始まった博多湾付近の浅い地震活動は、概ね北北西−南南東方向に約10kmに分布している。4月13日12時までの最大の余震は、22日15時55分頃のM5.4の地震(最大震度4)で、本震付近で発生した。
 
GPS観測の結果によると、今回の地震に伴い、福岡観測点(福岡県福岡市東区)で南西に約18cm、前原(まえばる)観測点(福岡県前原市)で南に約9cm移動するなど、福岡県を中心に地殻変動が観測された。また、福岡観測点では、本震発生後にわずかな余効変動が観測された。
 
今回の活動の周辺域で顕著な地震活動の変化は認められない。なお、警固断層付近でも、目立った活動は認められない。
 
本震の震源過程の解析結果によると、破壊は断層面のやや深いところから始まり、大きなずれ破壊を起こした領域が本震南東側の浅い部分に推定されている。
 
M3.0(震源地付近の小範囲で体に感じる程度)以上の余震の発生数は、現在、1日当たり平均して1回程度となっており、4月下旬頃には2日に1回程度になると推定される。