平成16年7月14日 |
2004年6月の地震活動の評価
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 6月11日に十勝支庁南部の深さ約50kmでマグニチュード(M)5.2の地震が発生した。発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、平成15年(2003年)十勝沖地震の余震と考えられる。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 6月20日に八丈島近海でM5.1の地震が発生した。
○ 5月30日に発生した房総半島南東沖(プレートの三重会合点付近)の地震(M6.7)の余震活動は、順調に減衰している。これまでの最大の余震は、6月9日のM5.6の地震である。
○ 東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。 補足説明へ
○ 6月8日に紀伊水道の深さ約10kmでM4.5とM4.3の地震が発生し、小規模な余震活動を伴った。発震機構はいずれも東西方向に圧力軸をもつ逆断層型であった。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
平成16年7月14日 |
地震調査委員会 |
2004年6月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ87回(5月は87回)および10回(5月は18回)であった。また、M6.0以上の地震の発生はなかった。
(参考)1971−2000年の30年間の標準的な回数:
M4.0以上の月回数46回、M5.0以上の月回数8回、M6.0以上の月回数1.3回、年回数約16回
2003年6月以降2004年5月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
−宮城県北部 | 2003年7月26日M6.4(深さ約10km) | |
−十勝沖(平成15年(2003年)十勝沖地震) | ||
2003年9月26日M8.0(深さ約40km) | ||
−福島県沖 | 2003年10月31日M6.8(深さ約30km) | |
−房総半島南東沖(プレートの三重会合点付近) | ||
2004年5月30日M6.7 |
「6月11日に十勝支庁南部の深さ約50kmでM5.2の地震が発生した。発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、平成15年(2003年)十勝沖地震の余震と考えられる。」:
平成15年(2003年)十勝沖地震の余震活動は、引き続き減衰傾向である。GPS観測結果によると、本震発生後に観測された余効変動はわずかながら継続している。
北海道地方では他に次の地震活動があった。
−4月27日頃から始まった網走・根室支庁境界付近(網走支庁網走地方)の地震活動は、5月21日の最大規模の地震(M4.8)の後、次第に減衰してきており、6月11日以降、M3.0以上の地震は発生していない。
−6月12日に岩手県沖の深さ約55kmでM4.6の地震が発生した。
−6月27日に福島県沖の深さ約45kmでM4.8の地震が発生した。
「東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。」:
東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動しているが、GPS観測結果では、静岡県西部を中心とする地域において、2001年4月頃から、この移動に、やや変化している傾向が見られるようになり、2004年6月に入っても継続している。但し、変化が加速している様子はない。
(なお、本評価結果は、6月28日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成16年6月28日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
全般的には顕著な地震活動はありません。浜名湖直下で通常より活動レベルの低い状態が続いていますが、その他の地域では概ね平常レベルです。
プレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる東海地域およびその周辺で見られる長期的な地殻変動は依然継続しています。」
近畿・中国・四国地方では、特に補足する事項はない。
九州・沖縄地方では、特に補足する事項はない。
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