平成16年4月14日
|
2004年3月の地震活動の評価
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 3月27日に釧路沖の深さ約40kmでマグニチュード(M)5.8の地震が発生した。発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、平成15年(2003年)十勝沖地震の余震と考えられる。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 3月11日に茨城県沖の深さ約50kmでM5.3の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○ 東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
平成16年4月14日 |
地震調査委員会 |
2004年3月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ73回(2月は65回)および7回(2月は8回)であった。また、M6.0以上の地震は発生しなかった。
(参考)1971−2000年の30年間の標準的な回数:
M4.0以上の月回数46回、M5.0以上の月回数8回、M6.0以上の月回数1.3回、年回数約16回
2003年3月以降2004年2月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
−宮城県沖 | 2003年5月26日M7.1(深さ約70km) | |
−宮城県北部 | 2003年7月26日M6.4(深さ約10km) | |
−十勝沖(平成15年(2003年)十勝沖地震) | ||
2003年9月26日M8.0(深さ約40km) | ||
−福島県沖 | 2003年10月31日M6.8(深さ約30km) |
「3月27日に釧路沖の深さ約40kmでM5.8の地震が発生した。発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、平成15年(2003年)十勝沖地震の余震と考えられる。」:
2003年9月26日の十勝沖地震(平成15年(2003年)十勝沖地震)の余震活動は、引き続き減衰傾向と考えられるが、3月中旬以降M5.0を越える地震が3回発生するなどやや数の多い状態となっている。GPS観測結果によると、本震発生後に観測された余効変動はわずかながら継続している。
科学技術振興調整費による平成15年(2003年)十勝沖地震に関する緊急調査研究の成果によると、海底地震計による余震観測結果から推定される本震の震源の深さは15〜20km程度の可能性があり、地震波構造探査から推定されるプレート境界の位置と整合している。また、GPS観測結果から余効滑りの空間的分布・時間的変化が推定され、本震の滑りが大きかった領域(アスペリティ)では余効滑りが小さく、その東西に大きな余効滑り領域があること等の特徴が確認された。
東北地方では、特に補足する事項はない。
「東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。」:
東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動しているが、GPS観測結果では、静岡県西部を中心とする地域において、2001年4月頃から、この移動に、やや変化している傾向が見られるようになり、2004年3月に入っても継続している。但し、変化が加速している様子はない。
(なお、本評価結果は、3月22日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成16年3月22日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
全般的には顕著な地震活動はありません。浜名湖直下では通常より活動レベルの低い状態が続いています。その他の地域では、三河湾周辺で浅い地震の活動レベルがやや高いほかは、概ね平常レベルです。
プレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる東海地域およびその周辺で見られる長期的な地殻変動は依然継続しています。」
近畿・中国・四国地方では、特に補足する事項はない。
九州・沖縄地方では、特に補足する事項はない。
|