平成15年5月14日
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2003年4月の地震活動の評価
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 4月29日に北海道東方沖でマグニチュード(M)5.9の地震が発生した。発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、1994年の北海道東方沖地震(M8.2)の余震域内で発生した。 補足説明へ
○ 4月17日に青森県東方沖の深さ約40kmでM5.4の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。 補足説明へ
○ 4月8日に茨城県南西部の深さ約50kmでM4.6の地震が発生した。
○ 4月1日に長野・岐阜県境付近の深さ約10kmでM4.1の地震が発生した。余震活動はほぼ収まりつつある。
○ 東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、最近では2001年に比べてやや小さいものの、現在でも依然として継続しているように見える。 補足説明へ
○ 4月2日に島根県東部の深さ約10kmでM4.2の地震が発生した。この地震の震央付近では1978年6月4日にM6.1の地震が発生している。 補足説明へ
○ 4月12日に鹿児島県北西部の深さ約10kmでM4.8の地震が発生した。この地震は1997年3月26日に発生した地震(M6.5)の余震域の西端付近で発生した。発震機構は北北西−南南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、1997年の地震とほぼ同じであった。地震活動は本震−余震型で推移し、次第に低下してきている。 補足説明へ
平成15年5月14日 |
地震調査委員会 |
日本及びその周辺域では、マグニチュード(M)4.0以上の地震の発生は52回(3月は48回、2000年末までの30年間の月平均は約46回)観測された。M5.0以上の地震の発生は4回(3月は4回)であった。
また、M6.0以上の地震の発生は、1998〜2002年の間で、年に平均15回(2000年までの30年間の年平均は約16回)発生している。2003年4月にはM6.0以上の地震は発生しなかった。
2002年4月以降2003年3月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
−青森県東方沖 | 2002年10月14日M5.9(深さ約50km) | |
−宮城県沖 | 2002年11月3日M6.1(深さ約45km) | |
−日向灘 | 2002年11月4日M5.7(深さ約35km) |
北海道地方では、特に補足する事項はない。
「4月17日に青森県東方沖の深さ約40kmでM5.4の地震が発生した」:
この地震の震央付近では2001年8月14日にM6.2の地震が発生している。
「東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、最近では2001年に比べてやや小さいものの、現在でも依然として継続しているように見える。」:
東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動しているが、GPS観測結果では、静岡県西部を中心とする地域において、2001年4月頃から、この移動に、やや変化している傾向が見られるようになり、2003年4月に入っても継続している。但し、変化は2001年に比べてやや小さくなっている。
(なお、本評価結果は、4月28日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成15年4月28日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
地震活動は、浜名湖直下での活動に低下が見られますが、全体としては、落ち着いた状況にあります。
プレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる東海地域およびその周辺に見られる長期的な地殻変動は、最近では2001年に比べてやや小さいように見えるものの、依然継続しています。
なお、気象庁の三ケ日観測点の体積歪データに4月8日20時頃から通常とは異なる変化が現れ、翌9日07時頃から変化が一時的に加速しました。その後、変化は加速と減速を数回にわたって繰り返しましたが、17日頃から落ち着き、現在、一連の変化が発生する前の傾向に戻っています。この歪変化は、プレート境界のすべりによるものではなく、歪計ごく近傍の地盤のずれや地下水の移動など何らかの局所的原因によって引き起こされたものと考えられます。」
近畿・中国・四国地方では、特に補足する事項はない。
九州・沖縄地方では、特に補足する事項はない。
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