平成15年7月14日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会


2003年6月の地震活動の評価


1 主な地震活動

目立った活動はなかった。 補足説明へ

2 各地方別の地震活動


(1) 北海道地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(2) 東北地方

○ 5月26日に宮城県沖の深さ約70kmで発生したマグニチュード(M)7.0の地震の余震活動は、6月10日(M4.9)と28日(M4.5)の地震で最大震度3を観測するなど依然継続しているものの、順調に減衰している。なお、これまでで最大の余震は5月27日と6月10日に発生したM4.9である。GPS観測によると、5月26日の地震以降、顕著な余効変動はみられない。 補足説明へ

(3) 関東・中部地方

○ 6月16日に茨城県沖の深さ約75kmでM5.0の地震が発生した。

○ 6月13日に長野・岐阜県境付近の深さ約10kmでM4.1の地震が発生した。この付近では4月1日にM4.1の地震が発生して以降、小規模な活動が続いている。

○ 6月5日に石川県加賀地方の深さ約10kmでM4.2の地震が発生した。

○ 東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、最近では2001年に比べてやや小さいものの、現在でも依然として継続しているように見える。 補足説明へ

(4) 近畿・中国・四国地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(5) 九州・沖縄地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ




(6)その他の地域

○ 台湾付近で6月9日にM6.0、6月10日にM6.2の地震が発生した。


補足

○ 7月3日に釧路沖の深さ約30kmでM5.8の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

○ 7月9日に知多半島付近の深さ約15kmでM4.3の地震が発生した。

○ 7月10日に奄美大島近海の深さ約60kmでM5.2の地震が発生した。

○ 7月11日に神奈川県西部の深さ約20kmでM4.1の地震が発生した。



2003年6月の地震活動の評価についての補足説明

平成15年7月14日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

日本及びその周辺域では、マグニチュード(M)4.0以上の地震の発生は73回(5月は99回、2000年末までの30年間の月平均は約46回)観測された。そのうち17回は5月26日に発生した宮城県沖の地震の余震(5月は宮城県沖の地震とその余震で59回)であった。M5.0以上の地震の発生は8回(5月は3回)であった。
また、M6.0以上の地震の発生は、1998〜2002年の間で、年に平均15回(2000年までの30年間の年平均は約16回)発生している。2003年6月にはM6.0以上の発生は2回。2003年は5月までに2回発生している。
2002年6月以降2003年5月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
−青森県東方沖2002年10月14日M5.9(深さ約50km)
−宮城県沖2002年11月3日M6.2(深さ約45km)
−日向灘2002年11月4日M5.7(深さ約35km)
−宮城県沖2003年5月26日M7.0(深さ約70km)

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2 各地方別の地震活動

(1) 北海道地方

北海道地方では、特に補足する事項はない。

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(2) 東北地方

東北地方では、特に補足する事項はない。

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(3) 関東・中部地方

「東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、最近では2001年に比べてやや小さいものの、現在でも依然として継続しているように見える。」:
東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動しているが、GPS観測結果では、静岡県西部を中心とする地域において、2001年4月頃から、この移動に、やや変化している傾向が見られるようになり、2003年6月に入っても継続している。但し、変化は2001年に比べてやや小さくなっている。
(なお、本評価結果は、6月23日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)

(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成15年6月23日気象庁地震火山部)

「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
浜名湖直下では通常より地震活動が低下した状況にありましたが、最近回復しつつあります。その他の領域では地震活動に特段の変化は見られません。
プレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる東海地域およびその周辺に見られる長期的な地殻変動は、最近では2001年に比べてやや小さいように見えるものの、依然継続しています。」


関東・中部地方では、他に次の地震活動があった。
−6月13日から伊豆半島東方沖の深さ約10kmで小規模な地震活動があった。この活動に伴い、周辺のGPS、傾斜計、および歪計等に地殻変動が観測された。今回の活動における最大の地震はM2.7で、震度1以上は観測されていない。活動は21日にはほぼ収まった。伊豆半島東方沖では過去にたびたび群発地震活動が起こっており、最近では2002年5月にも小規模な活動があった。

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(4) 近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では、特に補足する事項はない。

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(5) 九州・沖縄地方

−6月25日に大分県中部(別府付近)の深さ約10kmでM3.8の地震が発生した。この地震(最大震度3)を含め、震度1以上を観測した地震が5回発生し、一時活動が活発となったが、6月末までにほぼ収まった。この付近ではこのような小規模な活動がよくみられる。

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参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上のもの。又は、M4.0以上(海域ではM5.0以上)の地震で、かつ、最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。