平成15年2月12日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会


2003年1月の地震活動の評価


1 主な地震活動

目立った活動はなかった。 補足説明へ

2 各地方別の地震活動


(1) 北海道地方

○ 1月7日に十勝支庁南部の深さ約50kmでマグニチュード(M)4.6の地震が発生した。 補足説明へ

(2) 東北地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(3) 関東・中部地方

○ 1月21日に茨城県沖の深さ約45kmでM5.0の地震が発生した。

○ 1月31日に茨城県南部の深さ約65kmでM4.4の地震が発生した。

○ 東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。 補足説明へ

(4) 近畿・中国・四国地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(5) 九州・沖縄地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ




補足

○ 2月6日に京都府南部の深さ約15kmでM4.5の地震が発生した。
○ 2月11日に福井県嶺北地方の深さ約5kmでM4.0の地震が発生した。



2003年1月の地震活動の評価についての補足説明

平成15年2月12日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

日本及びその周辺域では、マグニチュード(M)4.0以上の地震の発生は41回(12月は58回、2000年末までの30年間の月平均は約46回)観測された。M5.0以上の地震の発生は5回(12月は3回)であった。
また、M6.0以上の地震の発生は、1998〜2002年の間で、年に平均15回(2000年までの30年間の年平均は約16回)発生している。2003年1月にはM6.0以上の地震は発生しなかった。
2002年1月以降2002年12月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

−茨城県沖2002年2月12日M5.5(深さ約50km)
−石垣島南方沖2002年3月26日M6.6(深さ約10km)
−台湾付近2002年3月31日M7.0
−青森県東方沖2002年10月14日M5.9(深さ約50km)
−宮城県沖2002年11月3日M6.1(深さ約45km)
−日向灘2002年11月4日M5.7(深さ約35km)

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2 各地方別の地震活動

(1) 北海道地方

北海道地方では、特に補足する事項はない。

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(2) 東北地方

−1月6日に青森県東方沖の深さ約45kmでM4.9の地震が発生した。この付近では2002年10月14日にM5.9の地震が発生し、最大震度5弱を観測している。
−GPS観測結果によると、岩手県南部から宮城県北部にかけて、2002年11月3日のM6.1の地震発生時から2003年1月にかけて、ほぼ東方向に最大1cm程度の系統的な地殻変動が見られた。これは、M6.1の地震発生時のすべりの後、震源域付近のプレート境界でゆっくりとしたすべりが継続して起こったものと考えられる。この地震の震央付近では、1月にM4クラスの地震が4回発生しているが、地震活動に大きな変化は見られない。

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(3) 関東・中部地方

「東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。」:
東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動しているが、GPS観測結果では、静岡県西部を中心とする地域において、2001年4月頃から、この移動に、やや変化している傾向が見られるようになり、2003年1月に入っても継続している。但し、変化が加速している様子はない。
(なお、本評価結果は、1月27日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)

(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成15年1月27日気象庁地震火山部)

「東海地域の地震活動は、地殻内およびフィリピン海プレート内ともに平常レベルです。
1月19日に東海道沖の、東海地震の想定震源域から南西にやや離れた場所で、M5.3の地震が発生しました。この地震はプレート境界付近の逆断層型の地震で、圧力軸の方向はフィリピン海プレートの沈み込み方向とおおむね一致する西北西−東南東方向でした。この地震によりM4以上の余震が3個発生するなど、一時活動が活発化しましたが、その後ゆっくりと減衰しています。なお、この地震活動の前後で、想定震源域内の地震活動・地殻変動に特段の変化は見られません。
東海地域及びその周辺において、一昨年からの長期的な地殻変動が依然継続しています。その原因となるプレート境界のゆっくり滑りの状況に特段の変化は見られません。
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。」


関東・中部地方では、他に次の地震活動があった。
−1月19日に東海道沖でM5.3の浅い地震が発生した。発震機構は、西北西−東南東に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界付近で発生した地震である。この地震の他、M4以上の地震が4回発生するなど、地震活動が一時的に活発となったが、2月上旬には活動はほぼ収まりつつある。この付近は、1944年の東南海地震(M7.9)の余震域の東端付近に位置しており、1966年にもM5.9を最大とする地震活動があった。

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(4) 近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では、特に補足する事項はない。

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(5) 九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では、特に補足する事項はない。

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参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上のもの。又は、M4.0以上(海域ではM5.0以上)の地震で、かつ、最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。