平成15年12月10日
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2003年11月の地震活動の評価
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○9月26日の十勝沖地震(平成15年(2003年)十勝沖地震)の余震活動は、順調に減衰している。11月中の最大の余震は11月24日に発生したマグニチュード(M)5.3の地震で、余震域の北西端付近で発生した。また、12月3日にも、余震域の北東端付近でM5.6の地震が発生している。GPS観測結果によると、本震発生後に観測された余効変動は、依然として継続しており、本震後の変動量はえりも1観測点で最も大きく、南東方向に約13cmとなっている。ただし、推定されるすべり領域が拡大している様子はない。 補足説明へ
○10月31日に発生した福島県沖の地震(M6.8)の余震活動はほぼ順調に減衰している。11月1日および2日には、深さ約45kmでM6.2とM5.6の余震が発生した。 補足説明へ
○11月15日に茨城県沖の深さ約50kmでM5.8の地震が発生した。この地震の発震機構はほぼ東西に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。
○11月23日に千葉県東方沖の深さ約40kmでM5.1の地震が発生した。
○11月12日に東海道沖の深さ約400kmでM6.5の深発地震が発生した。
○東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○11月25日に宮崎県南部山沿い地方の深さ約10kmでM4.1の地震が発生した。
○11月30日に鹿児島県北西部の深さ約10kmでM4.8の地震が発生した。この地震は1997年3月26日に発生した地震(M6.6)の余震域内で発生した。発震機構は1997年の地震とほぼ同じで、北西−南東に張力軸を持つ横ずれ断層型であった。 補足説明へ
平成15年12月10日 |
地震調査委員会 |
2003年11月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ123回(10月は167回)および17回(10月は21回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は3回で、2003年は11月までに21回発生している。
(参考)1971−2000年の30年間の標準的な回数:
M4.0以上の月回数46回、M5.0以上の月回数8回、M6.0以上の月回数1.3回、年回数約16回
2002年11月以降2003年10月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
−宮城県沖 | 2002年11月3日M6.3(深さ約45km) | |
−日向灘 | 2002年11月4日M5.9(深さ約35km) | |
−宮城県沖 | 2003年5月26日M7.1(深さ約70km) | |
−宮城県北部 | 2003年7月26日M6.4(深さ約10km) | |
−十勝沖(平成15年(2003年)十勝沖地震) | ||
2003年9月26日M8.0(深さ約40km) | ||
−福島県沖 | 2003年10月31日M6.8(深さ約30km) |
北海道地方では、特に補足する事項はない。
東北地方では、特に補足する事項はない。
「東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。」:
東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動しているが、GPS観測結果では、静岡県西部を中心とする地域において、2001年4月頃から、この移動に、やや変化している傾向が見られるようになり、2003年11月に入っても継続している。但し、変化が加速している様子はない。
(なお、本評価結果は、11月25日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成15年11月25日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
浜名湖直下では5−6月に小規模な活動がありましたが、2002年末頃から通常より地震活動が低下した状態が続いています。その他の領域では地震活動に特段の変化は見られません。
プレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる東海地域およびその周辺で見られる長期的な地殻変動は依然継続しています。」
−豊後水道周辺でGPSおよび傾斜計の観測結果に8月上旬頃から見られたやや長期的な地殻変動は、引き続き観測されているものの、全般的には収まりつつあるように見える。この変化はプレート境界におけるゆっくりとした滑りに起因するものと考えられる。また、ほぼ同じ領域の深さ30〜40kmで8月下旬頃から活発化した低周波地震の活動も、収まりつつある。なお、傾斜計の観測結果には、上記の長期的な変化に加えて、低周波地震の活発な活動とほぼ同時に数日間程度の短期的なゆっくり滑りによると思われる変化が見られている。
九州・沖縄地方では、特に補足する事項はない。
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