平成15年8月7日
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2003年7月の地震活動の評価
7月26日に宮城県北部の深さ約10kmでマグニチュード(M)5.5(前震)およびM6.2(本震)の地震が発生し、それぞれ宮城県で最大震度6弱と6強を観測した。また、M6.2の地震に伴う余震活動により、26日にM4.8(最大震度5弱)とM5.3(最大震度6弱)、28日にM5.0(最大震度5弱)の地震が発生した。これらの地震活動により、600名を超える負傷者を含む被害が発生した。 補足説明へ
○ 7月3日に釧路沖の深さ約30kmでM5.8の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。 補足説明へ
○ (7月26日に宮城県北部で発生した地震(前震含む)およびその余震活動等については別項を参照) 補足説明へ
○ 7月11日に神奈川県西部の深さ約20kmでM4.1の地震が発生した。
○ 7月9日に知多半島付近の深さ約15kmでM4.3の地震が発生した。
○ 東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、最近では2001年に比べてやや小さいものの、現在でも依然として継続しているように見える。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 7月10日に奄美大島近海でM5.2の地震が発生した。 補足説明へ
平成15年8月7日 |
地震調査委員会 |
日本及びその周辺域では、マグニチュード(M)4.0以上の地震の発生は77回(6月は73回、2000年末までの30年間の月平均は約46回)観測された。そのうち10回は5月26日に発生した宮城県沖の地震の余震(6月は宮城県沖の余震で17回)、23回は7月26日に発生した宮城県北部の地震活動によるものであった。M5.0以上の地震の発生は9回(6月は8回)であった。
また、M6.0以上の地震の発生は、1998〜2002年の間で、年に平均15回(2000年までの30年間の年平均は約16回)発生している。2003年7月にはM6.0以上の発生は2回。2003年は6月までに4回発生している。
2002年7月以降2003年6月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
−青森県東方沖 | 2002年10月14日M5.9(深さ約50km) | |
−宮城県沖 | 2002年11月3日M6.2(深さ約45km) | |
−日向灘 | 2002年11月4日M5.7(深さ約35km) | |
−宮城県沖 | 2003年5月26日M7.0(深さ約70km) |
北海道地方では、特に補足する事項はない。
−5月26日に発生した宮城県沖の地震(深さ約70km、M7.0)の余震活動は、ほぼ順調に減衰している。
「東海地方のGPS観測結果に2001年から認められた長期的な変化は、最近では2001年に比べてやや小さいものの、現在でも依然として継続しているように見える。」:
東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動しているが、GPS観測結果では、静岡県西部を中心とする地域において、2001年4月頃から、この移動に、やや変化している傾向が見られるようになり、2003年7月に入っても継続している。但し、変化は2001年に比べてやや小さくなっている。
(なお、本評価結果は、7月28日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成15年7月28日気象庁地震火山部)
「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
浜名湖直下では通常より地震活動が低下した状況にありましたが、最近回復しつつあります。その他の領域では地震活動に特段の変化は見られません。
プレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる東海地域およびその周辺に見られる長期的な地殻変動は、最近では2001年に比べてやや小さいように見えるものの、依然継続しています。」
近畿・中国・四国地方では、特に補足する事項はない。
九州・沖縄地方では、特に補足する事項はない。
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