平成13年9月12日 |
地震調査研究推進本部 |
地震調査委員会 |
2001年8月の地震活動の評価
目立った活動はなかった。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
8月14日に、青森県東方沖の深さ約40kmで、マグニチュード(M)6.2の地震が発生した。また、24日には、ほぼ同じ場所の深さ約40kmでM5.2の地震が発生した。発震機構は、いずれも、西北西−東南東に圧力軸を持つ逆断層型であった。この地震は太平洋プレートの沈み込みに伴うものである。M5.2の地震は、M6.2の地震の余震である。 補足説明へ
○ 三宅島付近から新島・神津島付近にかけての地震活動は、低調ながらも続いている。また、周辺のGPS観測によれば、最近の地殻変動も、まだ完全な停止まではいたっていない。
○ 駿河湾及びその周辺の地殻内の地震活動はやや活動レベルの低い状態が続いていたが、回復傾向が引き続き認められる。
東海地方のGPS観測結果に認められた、静岡県西部を中心とする地域での微小な変化は、その後も継続している。 補足説明へ
8月25日に、京都府南部の深さ約10kmでM5.1の地震が発生した。発震機構は東西方向に圧力軸をもつ逆断層型であった。その後の地震活動は、M5.1の地震を本震とする本震−余震型で推移している。 補足説明へ
8月18日に、沖縄本島近海(久米島の南西約80km)で、M6.3の浅い地震が発生した。また、20日には、ほぼ同じ場所で、M5.7の地震が発生した。発震機構は、いずれも北東−南西方向に張力軸を持つ正断層型であった。その後の地震活動はM6.3の地震を本震とする本震−余震型で推移している。 補足説明へ
9月4日に茨城県沖の深さ約50kmでM5.2の地震が発生した。
平成13年9月12日 |
地震調査委員会 |
日本及びその周辺域では、マグニチュード(M)4.0以上の地震の発生は46回(7月は47回、2000年末までの30年間の月平均は約46回。)観測された。この内、M5.0以上の地震の発生は5回(7月は6回)であった。
また、M6.0以上の地震の発生は、1998〜2000年の間で、年に平均16回(2000年までの30年間の年平均は約16回)発生している。8月には2回観測された。2001年は1月からこれまでに、8回発生している。
2000年8月以降2001年7月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
−三宅島付近から新島・神津島付近にかけての地域 | ||
2000年6月末から同年9月までマグマ活動に関連する活発な地震活動が継続。7月1日M6.4(深さ約10km)及び7月30日M6.5(深さ約10km)。 | ||
−茨城県沖 | 2000年7月21日M6.4(深さ約50km) | |
−鳥取県西部「平成12年(2000年)鳥取県西部地震」 | ||
2000年10月6日M7.3(深さ約10km) | ||
−西表島付近 | 2000年11月14日M4.4 (深さ約10km) | |
−新潟県中越地方 | 2001年1月2日M4.4(深さ約10km) | |
−新潟県中越地方 | (1月2日の地震から南南東に40kmのところ) | |
2001年1月4日M5.1(深さ約10km) | ||
−兵庫県北部 | 2001年1月12日M5.4(深さ約10km) | |
−新島・神津島付近 | 2001年2月13日M3.9(深さ約10km) | |
−安芸灘「平成13年(2001年)芸予地震」 | ||
2001年3月24日M6.7(深さ約50km) | ||
−静岡県中部 | 2001年4月3日M5.1(深さ約35km) |
北海道地方では、次の活動があった。
− 余市岳付近で、4月から継続している微小地震の活動は、8月中旬以降は低調。最大は8月11日のM3.0。
「8月14日に、青森県東方沖の深さ約40kmで、マグニチュード(M)6.2の地震が発生した。また、24日には、ほぼ同じ場所の深さ約40kmでM5.2の地震が発生した。発震機構は、いずれも、西北西−東南東に圧力軸を持つ逆断層型であった。この地震は太平洋プレートの沈み込みに伴うものである。M5.2の地震は、M6.2の地震の余震である」:
地震活動は、M6.2の地震を本震とする本震−余震型で推移している。本震後2日間程度活発化したが、その後は減衰し、8月末にはほぼ収まっている。
東北地方では、他に次の活動があった。
− 8月4日に、福島県沖の深さ約40kmで、M4.9の地震が発生。
「駿河湾及びその周辺の地殻内の地震活動はやや活動レベルの低い状態が続いていたが、回復傾向が引き続き認められる。
東海地方のGPS観測結果に認められた、静岡県西部を中心とする地域での微小な変化は、その後も継続している。」:
長期的に見ると1996年頃からやや地震の発生頻度が低下し、2000年10月頃からさらに低下していたが、最近3ヶ月程度で見ると、地殻内の地震活動は、若干、発生頻度が高くなっているように見える。8月も引き続きその傾向が続いている。
東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動しているが、GPS観測結果では、静岡県西部を中心とする地域において、2001年4月頃から、やや変化している傾向が見られるようになり、8月に入っても継続している。
関東・中部地方ではその他、次の活動があった。
− 6月下旬からの箱根付近の微小地震の活動は、8月下旬にはやや低調となった。また、周辺のGPS観測の変化もやや鈍化。
「8月25日に、京都府南部の深さ約10kmでM5.1の地震が発生した。・・・・・。地震活動は、M5.1の地震を本震とする本震−余震型で推移している。」:
余震分布は、北北東−南南西方向に伸びた形をしている。
近畿・中国・四国地方ではその他、次の地震活動があった。
− 8月10日に、紀伊水道(和歌山市付近)の深さ約10kmでM4.3の地震が発生。
− 8月24日に、安芸灘の深さ約50kmでM4.3の地震が発生。3月24日に発生した「平成13年(2001年)芸予地震」の余震。
− 5月下旬から続いている和歌山・奈良県境付近の深さ10〜15kmでの微小地震の活動(これまでの最大M3.6)は、8月中旬以降、5月の活動域の北東2〜3kmのところで新たに発生し、8月末現在、主にこの領域で継続(この領域の最大M3.4)し、他の領域は低調。
「8月18日に、沖縄本島近海で、M6.3の地震が発生した。・・・・・。地震活動はM6.3の地震を本震とする本震−余震型で推移している。」:
余震は、M3以上の地震が1日に1〜2回程度の頻度で発生している。
「2001年7月の地震活動の評価についての補足説明」の中で表現に誤りがありましたので、訂正します。
訂正箇所はp.2の下から8〜7行目の部分。
誤)フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みにより、西北西にほぼ一定速度で移動
正)フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動
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