平成12年9月13日 |
地震調査研究推進本部 |
地震調査委員会 |
2000年8月の地震活動の評価
6月末から始まった、三宅島付近から新島・神津島付近にかけての地震活動では、8月には、マグニチュード(M)5.0以上の地震が合計5回発生した。また、この地震活動で、8月には、最大震度6弱2回、5強2回、及び5弱8回を観測した。 補足説明へ
8月16日に、北海道東方沖の深さ約60kmで、M5.7の地震が発生した。この付近では、本年1月28日にM6.8の地震があり、今回の地震は、その余震と考えられる。また、8月20日にも、8月16日の地震の北北東約70km深さ約60kmでM5.7の地震が発生した。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 8月6日に、鳥島近海の深さ約430kmでM7.3の深発地震が発生した。発震機構は、太平洋プレートの沈み込む方向に圧力軸を持つ型であった。この付近では、1998年8月20日にM7.1の地震が発生している。
○ 8月19日に、茨城県沖の深さ約40kmでM5.4の地震が発生した。この地震の北西約50km深さ約50kmで7月21日にM6.0の地震が発生している。
○ 6月26日から始まった三宅島付近から新島・神津島付近にかけての地震活動は、8月に入ってからも活発な活動域を変えつつ、消長を繰り返しながら継続していたが、中旬には低調となった。また、地殻変動についても、やはり緩慢となってきた。 (別項参照)。
○ 静岡県中部の、沈み込むフィリピン海プレート内の地震活動は、昨年の8月以来の低い活動レベルの状態が続いている。一方、東海地方の掛川−御前崎間のGPS観測及び水準測量の結果には従来の変化傾向から変わるものは見られていない。 補足説明へ
8月27日に、大阪・奈良府県境の深さ約10kmで、M4.1の地震が発生した。その後、余震活動は減衰している。この地震の震源の南東約10kmには、1936年2月21日にM6.4の地震(河内大和地震)が発生している。 補足説明へ
○ 8月3日に、種子島近海(大隈半島南東沖)の深さ約40kmで、M5.1の地震が発生した。この付近では、6月25日にM5.9の地震があり、今回の地震はその余震域の北西端に位置する。
○ 8月10日に、熊本県熊本地方の深さ約15kmで、M4.0の地震が発生した。この付近では、6月8日にM4.8の地震が南西約10kmで発生している。 補足説明へ
8月5日にサハリン中部の深さ約10kmで、M7.3(気象庁マグニチュード)の地震が発生した。
9月9日に、埼玉県東部の深さ約70kmで、M4.2の地震があった。
1 「2000年6月の地震活動の評価」(7月12日付、地震調査研究推進本部地震調査委員会)の添付資料の記述に誤りがありましたので訂正します。
誤 c)奄美大島近海で、6/6に・・・。さらに、その西方沖で6/15に・・・。
正 c)奄美大島近海で、6/6に・・・。さらに、その東方沖で6/15に・・・。
2 「2000年7月の地震活動の評価」(8月9日付、地震調査研究推進本部地震調査委員会)の補足説明「1 主な地震活動について」の記述に誤りがありましたので訂正します。
誤 c)また、M6.0を超える地震の発生は、・・・、・・・、・・・、13回発生している(・・・)。
正 c)また、M6.0を超える地震は、・・・、・・・、・・・、15回発生している(・・・)。
平成12年9月13日 |
地震調査委員会 |
日本及びその周辺域では、M4.0以上の地震の発生は182回(7月は431回)、三宅島付近から新島・神津島付近の地震を除くと44回(昨年末までの30年間の月平均は43回。)観測された。この内M5.0以上の地震の発生は14回(7月は139回)であり、三宅島付近から新島・神津島付近の地震を除くと9回であった。8月は、三宅島付近から新島・神津島付近にかけての地震が数多く発生しているが、それを除くと、平均的な発生数である。また、M6.0を超える地震の発生は、1997年から1999年の間で、年に平均11回(台湾付近の地震を除くと8回)発生しているが、今年は8月末までで、18回発生している(そのうち、三宅島付近から新島・神津島付近にかけてのM6以上は5回。)。なお、以上の統計には、8月5日にサハリン中部に発生した地震は含めていない。
昨年3月以降本年7月までの主な地震活動として次のものがあった。
−新島・神津島近海 | 1999年3月14日M4.7(深さ10km以浅)、 | |
1999年3月28日M5.0(深さ20km以浅) | ||
−釧路支庁中南部 | 1999年5月13日M6.4やや深発地震(深さ約100km) | |
−和歌山県北部 | 1999年8月21日M5.4(深さ約70km) | |
−台湾 | 1999年9月21日M7.7(米国地質調査所による。) | |
−瀬戸内海中部 | 1999年10月30日M4.5(深さ約15km) | |
−熊本県熊本地方(深さ約10km)、福井県沖(深さ約15km)及び | ||
愛知県西部(深さ約50km)で1999年11月にM4.0を超える地震 | ||
−北海道東方沖 | 2000年1月28日M6.8(深さ約60km) | |
−北海道胆振支庁(有珠山周辺) | ||
2000年3月30日M4.3(深さ約10km以浅) | ||
及び4月1日M4.6(深さ約10km以浅)を始めとする火山活動に関連する地震活動 | ||
−千葉県北東部 | 2000年6月3日M6.0(深さ約50km) | |
−石川県西方沖 | 2000年6月7日M6.1(深さ20km以浅) | |
−熊本県熊本地方 | 2000年6月8日M4.8(深さ約10km) | |
−三宅島付近から新島神津島付近にかけて | ||
2000年7月1日M6.4(深さ約10km)及び7月30日M6.4(深さ約10km) を始めとするマグマ活動に関連する地震活動 |
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−茨城県沖 | 2000年7月21日M6.0(深さ約50km) |
北海道地方では、次の地震活動があった。
−8月27日に、浦河沖で、M4.7の地震。
−北海道北西部地域は本年5月頃から地震の発生頻度がそれまでの4倍となった。
−8月27日に、秋田県沖で、M4.3の地震。
−8月28日に、福島県沖で、M4.8の地震。
「静岡県中部の、沈み込むフィリピン海プレート内の地震活動は、昨年の8月以来の低い活動レベルの状態が続いている。」:
静岡県中部のフィリピン海プレートの地震(M1.5以上)の発生頻度が、平均して1ヶ月に6回程度であったものが、1999年8月頃から平均より少ない状態が続いている。
近畿・中国・四国地方では、特に補足する事項はない。
−6月8日に発生した熊本県熊本地方の地震(M4.8)のその後の活動は、次第に減衰している。
−8月7日に、奄美大島近海で、M5.2の地震。
参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安 M6.0以上のもの。又は、M4.0以上(海域ではM5.0以上)の地震で、かつ、最大震度が3を超えるもの。 参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安 1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。 2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。 3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。 |