平成12年7月21日 |
地震調査研究推進本部 |
地震調査委員会 |
三宅島から新島・神津島付近にかけての地震活動の評価
○ 7月12日以降も三宅島から新島・神津島付近にかけての活動は消長を繰り返しながら継続している。7月15日には、10時30分頃、新島の約3km北西の深さ約5kmにM6.3の地震が発生し、最大震度6弱を観測した。7月20日には、2時32分頃、式根島の約3km南西の深さ約5kmにM4.9の地震が発生し、最大震度5強を観測した。また、同日11時19分頃、12時10分頃、及び12時29分頃には、神津島東方約10kmの深さ5km−15kmの間に、M4.9、M5.1、及びM4.2の地震がそれぞれ発生し、どの場合においても最大震度5弱を観測した。
○ 現在は、神津島の東方沖約10kmで地震活動が消長を繰り返しつつ、引き続き活発であり、その地震の中には正断層型の発震機構のものが混ざっている。周辺のGPS観測の結果では、御蔵島、新島・神津島、伊豆大島及び房総半島南端まで地殻変動が観測されている。これらの地震活動及び地殻変動は、主として神津島の東方海域の地下での岩脈状のマグマの活動に関連して発生しているものと考えられる。
○ また、これらの地震活動及び地殻変動に誘発され、従来から活動が見られた利島西方海域から神津島にかけても地震活動が引き続き発生している。
○ 以上のように、今回の三宅島から新島・神津島付近にかけての地震活動及び地殻変動は、従来になく活発である。引き続きM6.0以上(震度6弱程度をもたらすこともある。)の地震の発生も否定できず、さらに1,2週間、地震活動に注意していく必要がある。
また、M5程度の地震が、利島、新島、式根島、神津島及び三宅島のそれぞれの近傍で発生した場合には、強い揺れ(震度5弱程度)をもたらすこととなる。
「2000年6月の地震活動の評価についての補足説明」(7月12日付、地震調査研究推進本部地震調査委員会)の記述に誤りがありましたので訂正します。
誤 M6.0を超える地震の発生は、・・・今年は6月末までで、既に11回発生している。
正 M6.0を超える地震の発生は、・・・今年は6月末までで、既に9回発生している