平成12年12月13日 |
地震調査研究推進本部 |
地震調査委員会 |
2000年11月の地震活動の評価
11月14日に、西表島付近の深さ約10kmで、マグニチュード(M)4.4の地震が発生し、最大震度5弱を観測した。 補足説明へ
11月14日に、釧路沖の深さ約50kmで、M5.9の地震が発生した。また、同日ほぼ同じ場所で、M5.2の地震が発生した。発震機構は、いずれも北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。この地震は、太平洋プレートの沈み込みに伴って発生したものである。 補足説明へ
11月16日に、福島県沖の深さ約50kmで、M5.0の地震が発生した。この地震は、太平洋プレートの沈み込みに伴って発生したものである。 補足説明へ
○ 6月26日からの、三宅島付近から新島・神津島付近にかけての地震活動は、11月9日に神津島東方約10kmでM3.5の地震が発生したものの、10月よりも更に低調となった。また、地殻変動についても、その変化は、引き続きほぼ停止している。
○ 静岡県中部の、沈み込むフィリピン海プレート内の地震活動は、最近、回復傾向が見られるものの、全体としては昨年の8月以来の低い活動レベルの状態が続いている。一方、東海地方のGPS観測及び水準測量の結果には、従来の変化傾向から変わるものは見られていない。 補足説明へ
10月6日に発生した「平成12年(2000年)鳥取県西部地震」(M7.3(暫定))の余震活動は、11月に入ってからは、3日にM4.5の余震が余震域の北部で発生したものの、徐々に低下してきている。また、余震域の西南西約25km付近と東北東約30km付近で発生していた、M7.3(暫定)の地震に誘発された地震活動も、徐々に低下してきている。 補足説明へ
○ 11月9日に、石垣島の南方約100kmの南西諸島海溝付近で、M6.2の地震が発生した。発震機構は、北西−南東方向に圧力軸を持つものであった。この地震は、フィリピン海プレートの沈み込みに伴って発生したものである。
○ 11月14日に、西表島付近の深さ約10kmで、M4.4の地震が発生し、最大震度5弱を観測した。この地震を含めM4.0以上の地震が3回発生するなど、中旬に一時活発となった。 補足説明へ
○ 12月5日に、茨城県沖の深さ約40kmで、M5.3の地震が発生した。
○ 12月7日に、島根県東部の深さ約10kmで、M4.2の、「鳥取県西部地震」の余震が発生した。
平成12年12月13日 |
地震調査委員会 |
日本及びその周辺域では、マグニチュード(M)4.0以上の地震の発生は約40回(10月は約60回、昨年末までの30年間の月平均は約40回。)観測された。この内M5.0以上の地震の発生は5回(10月は12回)であった。また、M6.0を超える地震の発生は、1997〜1999年の間で、年に平均11回(台湾付近の地震を除くと8回)発生しているが、今年は11月末までで22回(三宅島付近から新島・神津島付近にかけての地震活動を除くと17回)発生している。但し、以上の統計には、8月5日にサハリン中部に発生した地震は含めていない。
昨年11月以降本年10月末までの主な地震活動として次のものがあった。
−熊本県熊本地方(深さ約10km)、福井県沖(深さ約15km)及び | ||
愛知県西部(深さ約50km)で1999年11月にM4.0を超える地震 | ||
−北海道東方沖 | 2000年1月28日M6.8(深さ約60km) | |
−北海道胆振支庁(有珠山周辺) | ||
2000年3月30日M4.3(深さ約10km以浅) | ||
及び4月1日M4.6(深さ約10km以浅)を始めとする火山活動に関連する地震活動 | ||
−千葉県北東部 | 2000年6月3日M6.0(深さ約50km) | |
−石川県西方沖 | 2000年6月7日M6.1(深さ20km以浅) | |
−熊本県熊本地方 | 2000年6月8日M4.8(深さ約10km) | |
−三宅島付近から新島・神津島付近にかけて | ||
2000年7月1日M6.4(深さ約10km)及び7月30日M6.4(深さ約10km)を始めとするマグマ活動に関連する地震活動 | ||
−茨城県沖 | 2000年7月21日M6.0(深さ約50km) | |
−三宅島付近から新島・神津島付近にかけて | ||
2000年8月には、マグニチュードM5.0以上の地震5回(最大は8月18日のM6.0) | ||
−三宅島付近から新島・神津島付近にかけて | ||
2000年9月11日に利島の西の海域でM5.3 | ||
−鳥取県西部 | 2000年10月6日M7.3(暫定)(深さ約10km) |
他に次のような地震活動があった。
−11月9日に、北海道西方沖でM4.4の地震。
東北地方では、特に補足する事項はない。
「静岡県中部の、沈み込むフィリピン海プレート内の地震活動は、最近、回復傾向が見られるものの、全体としては昨年の8月以来の低い活動レベルの状態が続いている。」:
静岡県中部のフィリピン海プレート内に発生する地震(M1.5以上)の頻度が、1999年8月頃まで平均して1ヶ月に6回程度であった。その後、時折平均を超えることもあったが、全体としては平均より少ない状態が続いてきている。
他に次のような地震活動があった。
−11月5日に、関東東方沖でM5.5の地震。
−富士山付近の深さ15km前後で低周波地震の活動(M1.5以上で見ると30回程度。最大は11月11日のM2.2)。
「・・・「・・・鳥取県西部地震」・・・の余震活動は、11月に入ってからは、・・・、徐々に低下してきている。」:
余震活動は北部が南部に比べて活発である。
他に次のような地震活動があった。
−11月2日に、広島県南西部の深さ約30kmでM3.7の地震。過去約3年間に発生した地震の震源分布によると、この深さでは、この付近のみに集中して地震が発生している。
「11月9日に、石垣島の南方約100kmの南西諸島海溝付近で、M6.2の地震が発生した。発震機構は、北西−南東方向に圧力軸を持つものであった。」:
石垣島南方沖では、1998年5月に、M7.6の地震が発生しているが、その震央は、今回の地震の南東に約150km離れた場所である。
参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安 M6.0以上のもの。又は、M4.0以上(海域ではM5.0以上)の地震で、かつ、最大震度が3を超えるもの。 参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安 1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。 2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。 3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。 |