総理府地震調査研究推進本部の地震調査委員会は, 地震防災対策特別措置法(平成7年6月16日法律第111号)第7条第2項第4号に基づき, 関係行政機関や大学から地震に関する調査結果等を収集,整理,分析し, これに基づき総合的な評価を行っている。 同委員会は評価の柱の一つとして,地震活動の長期評価を掲げている。 これは,数十年以上にわたる長期的な観点から将来の地震活動度を探ろうとするもので, そのために同委員会の下に長期評価部会を設置している。
同部会は長期評価の一環として, 平成9年11月に「長期確率評価手法検討分科会」を設置し, プレート境界やプレート内部の弱線である活断層で発生する大地震について, 活動間隔・平均ずれ速度・最新活動時期・活動区間(セグメント)等のパラメータを用いて, その長期的な発生可能性を確率という数字で評価する手法を検討した。 発生する地震の規模や地震による揺れの最大加速度等を含めた 最終的な長期確率評価のためには, 上述の他にも様々なパラメータを取り込む必要があると考えられるが, ここではまず,地震発生の時系列的なところまでを扱うこととした。 本報告書はその検討結果をとりまとめたものであり, その手法に基づいてプレート境界及びいくつかの活断層に沿う 長期的な地震発生の確率を暫定的なデータを用いて試算した結果も同時に掲載してある。 本報告書の内容は,地震調査委員会が最終的に目指す 長期的な地震発生可能性の評価の第一段階に当たるものであり, ここに中間報告として公表するものである。
この報告書には長期確率評価手法検討分科会委員
(氏名は末尾の参考資料参照)のオリジナルな研究成果が含まれている。
その成果の中には,この報告書が公表された後,
委員自らの手により原著論文に仕上げられる予定のものもある。