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  1. 地震・津波の提供情報
  2. コラム
  3. 海域活断層評価手法等検討分科会の紹介

(広報誌「地震本部ニュース」平成29年(2017年)秋号)

海域活断層評価手法等検討分科会の紹介

■分科会設置の背景

 地震調査委員会では、全国113の主要活断層帯について評価を公表しており(平成29年10月1日現在)、平成28年(2016年)熊本地震を引き起こした活断層も含め、これらの活断層は一部を除いて陸域に存在しています。海域では、海のプレートと陸のプレートの境界に位置する海溝沿いで発生する海溝型地震の評価が行われており、全国6海域の評価が公表されています。一方、海域に存在する活断層については、これまでほとんど評価されていないのが現状です。その理由として、陸域に比べて活断層の位置・形状等を把握するのに必要な系統的なデータが少なく、また評価するための手法が確立していないという課題があります。
 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震で発生した巨大な津波により甚大な災害が発生したことを踏まえ、地震本部では地震調査研究の方針である「新たな地震調査研究の推進について-地震に関する観測、測量、調査及び研究の推進についての総合的かつ基本的な施策-」の見直しを行い、津波防災対策に資する情報を提供するため、津波の評価やその示し方について検討を行うことにしました。その一環として、地震調査委員会の下に津波評価部会が設置され(地震本部ニュース2013年6月号)、平成29年1月に「波源断層を特性化した津波の予測手法(津波レシピ)」を公表し、海溝型地震における津波評価を開始したところです。また、平成25年度より「海域における断層情報総合評価プロジェクト」と「日本海地震・津波調査プロジェクト」の2つの文部科学省委託研究が開始され、海域活断層評価に資する調査観測研究の成果が着々と蓄積されている状況です。このように海域活断層の評価を実施できる環境が整いつつあることから、平成29年4月に長期評価部会の下に海域活断層評価手法等検討分科会が設置されました(図1)。

図1 地震調査研究推進本部の組織概要
図1 地震調査研究推進本部の組織概要

■分科会の目的と主な審議内容

 本分科会は、調査観測研究の成果を長期評価に活かし、海域活断層による地震津波防災対策に貢献できる評価を実施することを目的とし、地方公共団体による津波・地震動の想定の検討やハザードマップ作成等に活用できる基礎情報を提供し、また、全国地震動予測地図の高度化に資することを目指します。

分科会で主に審議する事項

 6月には第1回分科会が開催され、本分科会の進め方について審議し、以下の通り示されました。

  1. 1.海域活断層の標準的な評価手法を提案
  2. 2.個別の海域活断層評価を実施
  3. 3.海域の活断層の地域評価を実施
  4. 4.検討対象海域は日本沿岸全域
  5. 5.評価対象となる断層の基準は、想定される津波・強震動・長周期地震動を考慮して設定

 審議の材料となるものは、上記の2つの委託研究の成果と、平成26年に内閣府・国土交通省・文部科学省より公表された「日本海における大規模地震に関する調査検討会報告書」があります。この報告書は、国が日本海における最大クラスの津波の断層モデルの設定等について都道府県に示したものであるため、まずこれをベースとして審議される予定です。これらの審議を基に、地震本部では「海域活断層の評価手法」の確立や、長期評価として「海域活断層評価」、「海域の活断層の地域評価」などの成果物が期待されます(図2)。

図2 海域活断層評価手法等検討分科会の概要
図2 海域活断層評価手法等検討分科会の概要

■今後の課題

 分科会を進めていくにあたり、解決すべき課題があります。活断層の活発さの度合いである活動度を把握するために必要な活動履歴がわかる海域の活断層は非常に限定的であり、そうした条件下では従来陸域で採用していた手法とは異なるものを検討しなければなりません。また、例えば海域においては比較的データの多い日本海側とデータの少ない南西諸島海域では、情報量に大きな差があるため、評価手法を検討する上での課題となります。さらに、統一的な海域活断層の命名方法も重要な課題の一つです。現在はF01断層と言ったアルファベットに数字を組み合わせた機械的な名称で呼ばれているものが多く、その名からは断層の位置を知ることはできません。また、同じ断層であっても各報告書や論文等によって名称が異なっているという問題があります。自治体からは住民に分かりやすい断層名の検討を要望されており、こうした点も検討を進めていきます。
 これらの課題を踏まえて、地方自治体・国土交通省・内閣府と密に連携を取りながら、防災対策に活かされる基礎情報等提供を目指していきます。

(広報誌「地震本部ニュース」平成29年(2017年)秋号)

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