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  1. 地震・津波の知識
  2. コラム
  3. 地域全体が一体となった防災教育の推進




 徳島県は、その地勢、地形等から自然災害が発生しやすい特性を有しています。全面積のうち山地が8割を占め、1,000メートルを超える山も多いことから、地形全般が急峻で、河川も急勾配となっています。また、徳島県は瀬戸内海・紀伊水道・太平洋に面していますが、特に、太平洋気候に属する県南地域は、日本
を代表する多雨地域であり、毎年のように台風や梅雨前線等が原因となって土砂災害が発生しています。
 さらに、太平洋側には南海トラフがあります。ここで発生するプレート境界型地震である南海地震は、非常に強い揺れが長く続くことにより、また、海底の地形が変動することで引き起こす巨大な津波により、これまで幾度となく、甚大な被害をもたらしてきました。
前回の「昭和南海地震」の発生から今年で63年を経過しており、時の経過とともに、必然的に地震発生の切迫性が高まっているなか、いつ起きてもおかしくない「次の南海地震への備え」が急務となっています。
 このため、徳島県では、「南海地震発生時の死者ゼロを目指す」という理念の下、地域防災力の強化を図ため積極的に各種施策を展開していますが、とりわけ、自主防災組織等地域住民や、学校、消防、行政といった地域全体が一体となって、次代を担う子どもたちへの防災教育の充実に取り組むことが、求められています。
 そこで、行政が主体となって、平成21年度から「小中学校まなぼうさい教室支援事業」を実施していますので、その内容を紹介します。


 まず、なぜ行政が主体となって防災教育を推進するようになったのかについてです。
 これまで防災教育が、全県的になかなか進まなかったのは、それぞれがそれぞれの立場で、自分の範囲のなかで取り組んできたことが大きな原因と考えられます。
 例えば、学校現場では、多くの教員は防災教育の重要性を認識しているものの、勤務の特殊性やさまざまな教育課題等への対応で多忙である、適当な教材がない、どう進めていいかわからないなどの理由で、「防災行動力を身につけるための取組」にまでは至っていない状況がみられます。
 また、一部では熱心な教員による積極的な取組もなされていますが、人事異動等により、せっかくの防災教育が途絶えるなど、一過性の取組で終わっている場合もあります。学校現場以外でも、県内の大学や自主防災組織の一部で防災教育に取り組んでいる例がありますが、広がりをみせていません。さらに、市町村も小・中学校を発災時の避難所として指定しているものの、ソフト面での対応は十分とはいえません。
 このような状況を打破するために、県民の防災意識の向上や防災知識の普及啓発の役割を担っている「徳島県立防災センター」が「学校と地域や防災関係機関との橋渡し役」となって、防災教育の推進に積極的に取り組むようになりました。


 県立防災センターが学校と地域等との橋渡し役となって防災教育を推進することが大きな特徴ですが、それとともに、「新たな防災教育を創造する」ために防災関係機関や教育関係機関をはじめ、県内の大学メディアデザイン学科や新聞社の力を結集したことも挙げられます。参加者が幅広いということから、取りまとめに難しい面もありましたが、小学校低学年向けの教材作成等の成果を生み出すことができました。

メディアを活かした小学校低学年向けの教材

①パワーポイント教材「じしんからいのちをまもる」
  【内容】基本編、津波編をスライド33枚で構成
   ・地震が起きるとどうなるのか。
   ・自分にどんな危険が起きるのか。
   ・自分の命を守るためにはどうすればよいのか。

② まなぼうさい紙芝居(デジタル版)、まなぼうさいパネルシアターによる「じしんぶぎょうがやってきた」
  【内容】正義の味方と悪役によるストーリー方式で構成
   ・地震が起きたときにとるべき行動
   ・津波は何回もくること
   ・日頃の備えの大切さ

③ アニメーションによる「まなぼうさいアニメーション(自宅編・学校編・海岸編)」、
  「まなぼうさい防災アニメーション2010」、「シロのないた海」
  【内容】キャラクター等を使用したアニメーション
   ・自宅等で地震にあったときの対処
   ・津波からの避難で重要なこと
   ・身を守ること、助け合いの重要性など



学校の教員を支援するための取り組み

①「防災教育推進パートナー」の登録
防災教育に対して熱意のある教員を登録し、防災に関するあらゆる情報を「パートナー通信」として定期配信するとともに、研修を実施し、その活動を支援。68人が登録(平成22年9月1日現在)。
②「防災教育支援ホットライン」の設置
県立防災センターにおいて、防災教育に関する相談を随時受け付ける窓口を設置。
③「小中学校まなぼうさい教室」の開催
県立防災センター職員等が小・中学校に出向いて防災教育を実施。
④ 研修カリキュラムの開発・実施
⑤ 実践的な防災プログラムの開発・実施
津波避難困難地区を多く抱える県南の美波町において、開発教材等をモデル的に実践・検証。
徳島県ならではの取り組み

① 学校現場に対する県立防災センターの積極的な活用の働きかけ
②「徳島県防災教育推進大会」の開催
平成22年2月10日開催(550名参加)。
③ 「徳島県まなぼうさい大賞」知事表彰の実施
徳島県防災教育推進大会において、防災教育や防災活動の取り組みが優れている小学校3校、中学校1校を表彰。
④ 「とくしま防災フェスタ」への出展
平成22年10月31日開催の「2010とくしま防災フェスタ」(2,800名来場)において、「防災教育啓発ブース」を出展。

 県立防災センター等行政が主体となって地域全体で防災教育を推進する取組は、平成21年度から始めたところであり、まだ部分的な実施に留まっているものもあります。平成22年度以降、こうした取組が県内の全ての地域で行われるよう着実に推進するとともに、防災教育の内容を充実していきたいと考えています。
 地域が一体となった防災教育が広がりと深みを増すことによって、「南海地震発生時の死者ゼロ」の理念が具現化されるものと確信しています。

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