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  3. 神縄・国府津-松田断層帯の長期評価の一部改訂

(広報誌「地震本部ニュース」平成21年(2009年)10月号)



 地震調査研究推進本部地震調査委員会は、「神縄・国府津−松田断層帯の長期評価の一部改訂」をとりまとめ、平成21年6月22日に公表しました。ここではその概要を紹介します。
 なお、神縄・国府津−松田断層帯の評価は、平成9年8月6日に公表し、その後に得られた知見に基づき、平成17年3月9日に一部改訂版としてとりまとめましたが、今回、最近の調査結果により、活動履歴などに関する新たな知見が得られたことから、これを基に評価の見直しを再度行い、一部改訂版としてとりまとめたものです。




 神縄・国府津−松田断層帯は、静岡県駿東郡小山町から、神奈川県足柄上郡山北町、松田町、大井町を経て、小田原市に至る断層帯です。長さは約25kmもしくはそれ以上で、屈曲点を境に北西側では東西方向に、南東側では北西−南東方向に延びています。本断層帯は、断層の北−北東側が南−南西側に対して相対的に隆起する逆断層です。


 神縄・国府津−松田断層帯の過去の活動は次のようであった可能性があります。
●最新の活動
 12世紀以後、14世紀前半以前 (西暦1350年以前)
●平均活動間隔
 約8百−1千3百年
●1回のずれの量
 3m程度(上下成分)


 神縄・国府津−松田断層帯では、全体が1つの区間として活動する場合、マグニチュード7.5程度の地震が発生する可能性があります。また、その際には断層近傍の地表面では、北−北東側が南−南西側に対して相対的に3m程度高まる段差や撓みが生じると推定されます。
 本断層帯の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は表に示すとおりです。本評価で得られた地震発生の長期確率には幅がありますが、その最大値をとると、本断層帯は、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになります。


 この度公表した本断層帯の長期評価は、将来発生する地震の規模や可能性について述べています。この評価への理解を深めると共に、地震に対するイメージを持って頂くことを目的に、想定されている地震が発生した場合、どの程度の揺れに見舞われる可能性があるのかについて、計算を行いました。長期評価の結果と併せて、防災対策の一助として頂ければ幸いです。
 なお、個別地域の被害想定や防災対策の検討を行う場合は、より詳細な地震動評価を別途行う必要があります。

[解 説]
 図は、断層が相模湾に延びている場合に、このような地震が発生した際に予想される、震度分布を示しています。
 神縄・国府津−松田断層帯が活動した場合には、神奈川県中西部の相模湾に面した平野・丘陵部や、静岡県御殿場市周辺で震度6強以上(赤色)の大変強い揺れが予測されています。震度6弱(橙色)の揺れは、神奈川県中部から静岡県北東部や山梨県南東部の一部に至る広い範囲や、三浦半島の沿岸部の一部、横浜市・川崎市の一部にまで及びます。神奈川県のほぼ全域を含む東京都中南部から静岡県東部・山梨県南東部までの広い範囲や、荒川沿いの低地・甲府盆地・房総半島西岸の一部は震度5強(黄色)の揺れに見舞われます。
 なお、実際の揺れは、予測されたものよりも1〜2ランク程度大きくなる場合があります。特に活断層の近傍などの震度6弱の場所においても、震度6強以上の揺れになることがあります。

(広報誌「地震本部ニュース」平成21年(2009年)10月号)

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