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  3. 砺波平野断層帯・呉羽山断層帯の長期評価を一部改訂




 地震調査研究推進本部地震調査委員会は、5月16日に「砺波(となみ)平野断層帯・呉羽山(くれはやま)断層帯の長期評価の一部改訂」をとりまとめ、公表しました。ここではその概要を紹介します。
 なお、砺波平野断層帯・呉羽山断層帯の評価は平成14年12月11日に公表していますが、その後の調査結果により活動履歴などに関する新たな知見が得られたことから、これらを基に評価の見直しを行い、一部改訂版としてとりまとめました。



 砺波平野断層帯は、砺波平野北西縁の富山県高岡市から南砺(なんと)市に至る砺波平野断層帯西部と、砺波平野南東縁の富山県砺波市から南砺市に至る砺波平野断層帯東部からなります。また、呉羽山断層帯は富山平野西縁の富山市から富山湾まで達しています。

(1)砺波平野断層帯西部
 長さ約26kmで、概ね北東−南西方向に延びています。この断層帯は、断層の北西側が南東側に対し相対的に隆起する逆断層で、石
いす動るぎ断層と法林寺断層から構成されます。
(2)砺波平野断層帯東部
 長さ約21kmで、概ね北北東−南南西方向に延びています。この断層帯は、断層の南東側が北西側に対し相対的に隆起する逆断層です。
(3)呉羽山断層帯
 長さ約22km以上で、概ね北北東−南南西方向に延びています。この断層帯は、断層の北西側が南東側に対し相対的に隆起する逆断層です。



(1)砺波平野断層帯西部
 砺波平野断層帯西部のうち法林寺断層における過去の活動は次のように推定されます。
●平均的な上下方向のずれの速度
 0.3−0.4m/千年程度以上
●最新の活動
 約6千9百年前以後、1世紀以前
●平均活動間隔
 約6千−1万2千年もしくはこれらよりも短い間隔
 石動断層については過去の活動に関する資料は得られていません。

(2)砺波平野断層帯東部
 砺波平野断層帯東部の過去の活動は次のように推定されます。
●平均的な上下方向のずれの速度
 0.3−0.4m/千年程度
●最新の活動
 約4千3百年前以後、約3千6百年前以前
●平均活動間隔
 3千−7千年程度

(3)呉羽山断層帯
 呉羽山断層帯の過去の活動は次のようであった可能性があります。
●平均的な上下方向のずれの速度
 0.4−0.6m/千年程度
●最新の活動
 約3千5百年前以後、7世紀以前
●平均活動間隔
 既往の研究成果による直接的なデータではないが、経験則から求めた1回のずれの量と平均的な上下方向のずれの速度に基づくと、平均活動間隔は3千−5千年程度




(1)砺波平野断層帯西部
 全体が1つの区間として活動する場合、マグニチュード(M)7.2程度の地震が発生する可能性があります。その際に断層近傍の地表面では、断層の北西側が南東側に対して相対的に2m程度高まる段差や撓(たわ)みが生じる可能性があります。本断層帯の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は表1に示すとおりです。
本評価で得られた地震発生の長期確率には幅がありますが、その最大値をとると、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属することになります。
(2)砺波平野断層帯東部
 全体が1つの区間として活動する場合、M7.0程度の地震が発生すると推定されます。その際に断層近傍の地表面では、断層の南東側が北西側に対して相対的に1.5m程度高まる段差や撓みが生じると推定されます。本断層帯の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は表1に示すとおりです。本評価で得られた地震発生の長期確率には幅がありますが、その最大値をとると、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになります。
(3)呉羽山断層帯
 全体が1つの区間として活動する場合、M7.2程度の地震が発生すると推定されます。その際に断層近傍の地表面では、断層の北西側が南東側に対して相対的に2m程度高まる段差や撓みが生じる可能性があります。本断層帯の最新活動後の経過率及び将来このような地震が発生する長期確率は表1に示すとおりです。本評価で得られた地震発生の長期確率には幅がありますが、その最大値をとると、今後30年の間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中では高いグループに属することになります。


 この度公表した本断層帯の長期評価では、将来発生する地震の規模や可能性について述べています。この評価への理解を深めると共に、地震に対するイメージを持って頂く
ことを目的に、各断層帯で想定されている地震が発生した場合、どの程度の揺れが生じる可能性があるのかについて、計算を行いました。長期評価結果と併せて、防災対策の一助として頂ければ幸いです。
 なお、個別地域の被害想定や防災対策の検討を行う場合は、より詳細な地震動の評価を別途行う必要があります。

[解 説]
 3枚の図は長期評価で想定されている地震が発生した場合に予測される、各断層帯での震度分布を示しています。各断層帯が活動した場合には、富山県・石川県の広範囲で震度5弱以上の強い揺れが発生します。また、富山市から高岡市に至る地域で、震度6強(赤色)以上の大変強い揺れが発生する可能性があることがこれらの図から分かります。断層帯周辺では、広範囲にわたって震度6弱(橙色)の揺れが予測されています。
 砺波平野断層帯西部の活動に関しては、比較的地盤の揺れやすい、氷見(ひみ)市や砺波平野、金沢平野で震度6強以上、小松市でも震度6弱の揺れが予測されています。震度5強(黄色)の範囲は、加賀市にまで及びます。
 砺波平野断層帯東部の活動に関しては、他の断層帯よりも推定される地震の規模が小さいため、震度6強以上の範囲も小さいですが、砺波平野のほぼ全域で震度6弱の揺れが予測されています。
 呉羽山断層帯の活動に関しては、魚津市から氷見市にかけての広範囲で震度6弱以上の揺れが予測され、とくに富山市から高岡市にわたる富山平野、砺波平野北部で震度6強以上の揺れが予測されています。
 なお、実際の揺れは、予測されたものよりも1〜2ランク程度大きくなる場合があります。特に活断層の近傍などの震度6弱の場所において、震度6強以上の揺れになることがあります。

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