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熊本地震に対する調査研究機関の取組み-防災科学技術研究所-
調査研究レポート 熊本地震に対する調査研究機関の取り組み -防災科学技術研究所-

2016年4月14日に熊本県熊本地方を震源とするM6.5の地震が発生し、16日にはM7.3の地震が発生しました。さらに、これらの地震の後、熊本県阿蘇地方や大分県中部といった震源から離れた場所においても比較的大きな地震が発生し、平成28年(2016年)熊本地震と命名された一連の地震活動による被害は広い範囲にわたる甚大なものとなりました。

災害対応においては、同時に多くの組織が活動を行うため、状況認識を統一し、それに基づいて、密な情報共有を図りながら個々の組織が的確に対応することが重要となります。そのための取り組みとして、指定公共機関である防災科学技術研究所では、発災直後から災害対策本部を所内に立ち上げ、発災当初より継続して地図情報集約・作成・共有をはじめとする全所的な災害対応支援を行って参りました。

4月14日21時26分頃の地震発生直後、J-RISQ地震速報による市区町村毎の揺れの状況や震度遭遇人口を推定・公開したことを皮切りに、同日23時31分には、様々な情報を集約したWebサイト「防災科研クライシスレスポンスサイト(NIED-CRS)」を開設しました。翌4月15日には、「リアルタイム地震被害推定システム(暫定版)」で建物全壊棟数分布の推定を行った結果を同サイト上にて公表しました。

同日朝から順次研究員を現地に派遣し、熊本県庁に設置された政府の非常災害現地対策本部(以下、「現地災対本部」という。)及び熊本県災害対策本部、各自治体を中心に、現地での情報収集とニーズ把握を継続的に行うとともに、災害対応機関・団体間での迅速な情報共有に努めております。 具体的に は、防災科研が独自で有する地震、火山噴火、降雨、土砂災害等の観 測・予測・評価・調査データ、現地災対本部はじめ各機関から入手した道路規制や避難所データ等、多種多様なデータをレイヤーとして、Web地図上で必要な物だけを自由に取捨選択して重ねることができる仕組みを作成し、NIED-CRSで一元的に集約・提供を行っています。

また、これらの異種・複数のデータを組み合わせて、効果的な災害対応を支援する情報提供を行っています。例えば、建物全壊棟数分布と避難所状況を組み合わせた要生活支援エリア抽出情報、通水復旧状況と避難所状況を組み合わせた要給水支援避難所情報を提供したり、また、地震の震源分布の時系列変化を抽出して作成した地震の発生状況の変遷を示したり、避難所における避難者数の時系列変化を抽出し、市区町村毎の復旧の進み具合の指標として示すといった工夫も加えつつ、現場ニーズを聞き取りながら、これに応える情報を作成・提供しています。これらのシステムや取り組みは、これまで防災科研が研究開発を進めてきた災害情報共有・利活用基盤「eコミュニティ・プラットフォーム」や、総合科学技術・イノベーション会議が推進する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」での研究開発成果を一部活用しています。

これらの様々なデータ、情報を各府省庁及び関係機関、熊本県庁各課、県内市町村、救援・救助活動を行う各種団体(DMAT、J-VOAD等)に提供したところ、災害状況を把握するために活用いただいております。

加えて、「被災者台帳による生活再建支援システム」を活用した、県及び県下市町村におけるり災証明発行業務及びそれを通じた被災者台帳の作成・管理へ の支援活動を目的として、防災科研、大学、自治体、事業者等により構成される生活再建支援連携体を編成し、公平公正迅速な被災者の生活再建に目指して、耐え者被害認定調査、そのデータベース化、罹災証明発給支援、被災者台帳の構築・活用という一連の活動を発災直後から継続して推進して参りました。

このシステムは、15年ほど前に防災科学技術研 究所の地震防災フロンティア研究センター(EDM)で作成した建物被害認定のための調査システムをベースに、科学技術振興機構社会技術研究開発センター(RISTEX)の実装支援プログラムや文部科学省・都 市災害プロジェクトの支援を受けて、京都大学、新潟大学を中心とした研究者及び事業者の過去10年に 渡る被災地での実証・研究に基づいて開発を進めてきたシステムです。

これらの活動は、発災以降、途切れることなく継続して実施しており、結果として、今後の災害対応の発展に資する、とても重要なデータを収集しているところです。今後の取り組みとしては、応急的な対応の後に続く長期的な復旧・復興も視野に入れて、様々な取り組みを推進していくことが重要です。このため、6 月末には、所内に熊本地震復旧・復興支援本部を設立し、情報を共有しながら取り組みを進めております。

熊本地震とそれに起因する災害から被災地ができるだけ早く立ち直れるよう、防災科研としてできるだけの支援をさせていただき、それを通して見いだされた新たな研究課題を解決するための取り組みを展開していくべく、邁進していく所存です。

防災科研クライシスレスポンスサイト(NIED-CRS), http://ecom-plat.jp/nied-cr/index.php?gid=10153

災害対応支援地図(NIED-CRSのコンテンツ例) 被災者台帳による生活再建支援システムが提供する機能

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