このため大きな地震が遠くで起きると、初めにガタガタと小刻みに揺れる縦波の揺れが来て、次いでユサユサというややゆっくりとした横波の揺れを感じ、その後にユラユラとゆっくりした振幅の大きな表面波の揺れに見舞われることが多いのです。表面波は周期が長いため人には強く感じられなくても、ビルや橋などの建造物を大きく揺らすことがあります。
地震波の伝わる速さは波の種類や岩石の性質によって異なります。地球の表層では縦波の進む速さは1秒間に約6〜9qで、横波の進む速さは1秒間に約3〜5qです。この速度の違いによる時間差を用いて、震源までの距離が分かります。縦波のガタガタという振動を感じ始めた後に横波のユサユサという振動を感じるまでの時間が短いと近いところで起きた地震、長いと遠いところで起きた地震ということになります。雷がピカッと光った後、ゴロゴロと鳴るまでの時間差で、雷までの距離が遠いか近いかが分かるのと同じ仕組みです。
(注)縦波はラテン語でPrimae(初めの)の頭文字のPをとってP波と名付けられ、初めに来る波の意味です。横波は同じくラテン語のSecundae(第2の)の頭文字のSをとってS波と名付けられ、2番目に来る波という意味です。
図2 地震波の伝わり方