平成25年7月9日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2013年6月の地震活動の評価

1.主な地震活動

目立った活動はなかった。

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2.各地方別の地震活動

(1)北海道地方

目立った活動はなかった。

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(2)東北地方

○ 6月4日に福島県沖の深さ約50kmでマグニチュード(M)4.7の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

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(3)関東・中部地方

○ 6月6日に千葉県東方沖の深さ約50kmでM5.0の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で発生した地震である。

○ 6月7日に新潟県上中越沖〔新潟県上越地方〕の深さ約10kmでM3.8の地震が発生した。この地震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。

○ 6月27日に栃木県北部の深さ約5kmでM3.9の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ型で、地殻内で発生した地震である。

○ 東海地方のGNSS観測結果等には、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測されていない。

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(4)近畿・中国・四国地方

○ 6月8日16時17分に和歌山県北部の深さ約5kmでM4.0の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。この地震の震源近傍では、同日20時39分にもM3.9の地震が発生するなどややまとまった活動がみられた。

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(5)九州・沖縄地方

○ 6月8日に与那国島近海の深さ約25kmでM5.8の地震が発生した。この地震の発震機構は北北西−南南東方向に圧力軸を持つ型であった。

○ 6月13日に沖縄本島近海でM5.8の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型であった。

○ 6月21日に奄美大島近海の深さ約20kmでM4.6の地震が発生した。

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(6)その他の地域

○ 6月2日に台湾付近(台湾中部)でM6.3の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。この地震の震央付近では、3月27日にもM6.1の地震が発生している。

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注: 〔 〕内は気象庁が情報発表で用いた震央地域名である。
 GNSSとは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称である。


2013年6月の地震活動の評価についての補足説明

平成25年7月9日
地震調査委員会

1.主な地震活動について

2013年6月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
  M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ79回(5月は84回)および15回(5月は12回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は1回(5月は1回)であった。

(参考) M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値)

2012年6月以降2013年5月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

− 長野県北部  2012年7月10日 M5.2(深さ約10km)
− 十勝地方南部  2012年8月25日 M6.1(深さ約50km)
− 宮城県沖  2012年8月30日 M5.6(深さ約60km)
− 宮城県沖  2012年10月25日 M5.6(深さ約50km)
− 三陸沖  2012年12月7日 M7.3
− 茨城県北部  2013年1月28日 M4.8(深さ約75km)
− 茨城県北部  2013年1月31日 M4.7(深さ約10km)
− 十勝地方南部  2013年2月2日 M6.5(深さ約100km)
− 栃木県北部  2013年2月25日 M6.3(深さ約5km)
− 淡路島付近  2013年4月13日 M6.3(深さ約15km)
− 三宅島近海  2013年4月17日 M6.2(深さ約10km)
− 宮城県沖  2013年4月17日 M5.9(深さ約60km)
− 福島県沖  2013年5月18日 M6.0(深さ約45km)

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2.各地方別の地震活動

(1)北海道地方

北海道地方では特に補足する事項はない。

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(2)東北地方

東北地方では特に補足する事項はない。

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(3)東北地方太平洋沖地震に伴う地震活動及び地殻変動について

− 2012年3月から約1年間に、東北地方太平洋沖地震の余震域で発生したM4.0以上の地震は、東北地方太平洋沖地震の発生後の約1年間と比べて5分の1以下となるなど、余震活動は徐々に低下してきている。しかしながら、東北地方太平洋沖地震の発生前の平均的な地震活動状況と比べると、余震域におけるM4.0以上の地震の発生数は5倍以上であり、依然として余震活動は活発な状態にある。
 GNSS連続観測結果によると、東北地方太平洋沖地震直後からの約1ヶ月間における地殻変動量は、最大で水平方向に30cm、上下方向に6cmの沈降と5cmの隆起であった。変動は徐々に小さくなり、最近1ヶ月間では水平方向に最大1cmを超える程度、上下方向には1cm未満になっているが、引き続き東北地方から関東・中部地方の広い範囲で、余効変動と考えられる地殻変動が観測されている。
 2004年12月に発生したスマトラ島北部西方沖の地震(モーメントマグニチュード(Mw)9.1)では、震源域およびその周辺で、長期にわたって大きな地震が発生している。東北地方太平洋沖地震においても、今後も余震域やその周辺で規模の大きな地震が発生する恐れがあり、強い揺れや高い津波に見舞われる可能性があるので、引き続き注意が必要である。

(4)関東・中部地方

「東海地方のGNSS観測結果等には、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測されていない。」:
 (なお、これは、6月24日に開催された定例の地震防災対策強化地域判定会における見解(参考参照)と同様である。)

(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成25年6月24日気象庁地震火山部)

「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくとみられる変化は観測されていません。

1.地震活動の状況
 静岡県中西部の地殻内では、全体的にみて、2005年中頃からやや活発な状態が続いています。
 浜名湖周辺のフィリピン海プレート内では、引き続き地震の発生頻度のやや少ない状態が続いています。
 その他の領域では概ね平常レベルです。
 なお、6月12日に愛知県のプレート境界付近において深部低周波地震が観測されました。

2.地殻変動の状況
 全般的に注目すべき特別な変化は観測されていません。
 GNSS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向は継続しています。更に、傾斜計、ひずみ計等の観測結果を含めて総合的に判断すると、東海地震の想定震源域におけるフィリピン海プレートと陸のプレートとの固着状況の特段の変化を示すようなデータは、現在のところ得られていません。
 なお、6月11日から12日にかけて、愛知県のプレート境界付近に生じた「短期的ゆっくりすべり」に起因するとみられる地殻変動が周辺のひずみ計で観測されました。
 また、GNSS観測の結果によると、「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」による余効変動が、小さくなりつつありますが東海地域においてもみられています。
 ※GNSS(Global Navigation Satellite Systems)とはGPSをはじめとする衛星測位システム全般をしめす呼称。」

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(5)近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。

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(6)九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。

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(7)その他の地域

その他の地域では特に補足する事項はない。

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参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
 ①M6.0以上または最大震度が4以上のもの。②内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。③海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。

参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
 1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
 2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
 3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。