平成23年3月16日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2011年3月15日静岡県東部の地震の評価

○ 3月15日22時31分頃に静岡県東部の深さ約15kmでマグニチュード(M)6.4(暫定)の地震が発生した。この地震により静岡県富士宮市で最大震度6強を観測した。その後、震度4を観測する余震が発生するなど、余震活動が続いている。

○ この地震の発震機構は南北方向に圧力軸を持つ型である。今回の地震の余震分布と本震の発震機構から推定される震源断層は、北東−南西方向に延び、南東に下がる断層面を持つ左横ずれ断層であると考えられる。

○ GPS観測の結果によると、本震の発生に伴って、裾野1観測点(静岡県)が約3cm東北東に移動するなどの地殻変動が観測されている。

○ 今回の地震は、想定東海地震の想定震源域の近くで発生しているが、想定東海地震とは異なる発震機構で発生した地震である。気象庁の観測によると、東海地域に設置したひずみ計には、直ちに想定東海地震に結びつくような異常な地殻変動は観測されていない。

○ 3月11日に発生した平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の発生に伴って、水平方向に4m以上の水平変動が観測されるなど、大きな地殻変動が観測され、概ね東西方向に伸張、南北方向に圧縮するひずみを、広域にわたり与えており、今回の地震はその影響によって発生した可能性は否定できない。