平成20年12月8日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2008年11月の地震活動の評価

1.主な地震活動

目立った活動はなかった。 補足説明へ

2.各地方別の地震活動

(1)北海道地方

○ 11月22日に根室半島南東沖の深さ約45kmでマグニチュード(M)5.2の地震が発生した。この地震の発震機構は北北西−南南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。 補足説明へ

(2)東北地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(3)関東・中部地方

○ 11月24日に岐阜県美濃東部の深さ約10kmでM3.9の地震が発生した。この地震の発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。

○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。 補足説明へ

(4)近畿・中国・四国地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(5)九州・沖縄地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

補足

○ 12月4日08時16分頃に三陸沖でM6.1の地震が発生した。また、同日12時10分頃にもM5.5の地震が発生した。これらの地震の発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

○ 12月7日に宮城県中部の深さ約10kmでM4.4(速報値)の地震が発生した。




2008年11月の地震活動の評価についての補足説明

平成20年12月8日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

2008年11月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
 M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ61回(10月は70回)および2回(10月は11回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は0回で、2008年は11月までに17回発生している。

(参考)M4.0以上の月回数73回(1998−2007年の10年間の中央値)、
M5.0以上の月回数9回(1973−2007年の35年間の中央値)、
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1924−2007年の84年間の平均値)

2007年11月以降2008年10月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

− 石川県能登地方 2008年1月26日M4.8(深さ約10km)
− 茨城県沖 2008年5月8日M7.0
− 岩手・宮城内陸地震 2008年6月14日M7.2(深さ約10km)
− 茨城県沖 2008年7月5日M5.2(深さ約50km)
− 沖永良部島付近 2008年7月8日M6.1(深さ約45km)
− 福島県沖 2008年7月19日M6.9
− 岩手県中部 2008年7月24日M6.8(深さ約110km)
− 十勝沖 2008年9月11日M7.1

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2 各地方別の地震活動

(1)北海道地方

北海道地方では特に補足する事項はない。

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(2)東北地方

東北地方では特に補足する事項はない。

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(3)関東・中部地方

「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
 (なお、これは、11月21日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)

(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成20年11月21日気象庁地震火山部)

「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
 1.地震活動の状況
 全般的には顕著な地震活動はありません。
 静岡県中西部のフィリピン海プレート内ではマグニチュード3.5以上の地震の発生頻度が引き続き少なく、浜名湖周辺のフィリピン海プレート内でも地震の発生頻度が少ない状態になっています。一方、愛知県の地殻内では地震活動がやや活発な状態が続いており、静岡県中西部の地殻内でもやや活発な状態になっています。その他の地域では概ね平常レベルです。
 なお、東海地域の周辺域の伊勢湾から三重県・奈良県にかけた地域において、11月10日〜18日にかけて深部低周波地震活動が観測されました。この付近では本年3月及び6月にも深部低周波地震活動が観測されています。
 2.地殻変動の状況
 全般的には注目すべき特別な変化は観測されていません。
 GPS観測及び水準測量の結果では、御前崎の長期的な沈降傾向はこれまでと同様に継続しています。
 なお、上記の深部低周波地震活動と同期して、プレート境界付近における「短期的ゆっくり滑り」に起因すると見られる地殻変動が周辺の歪計等で観測されました。この付近では同様の現象が本年3月及び6月にも観測されています。」

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(4)近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。

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(5)九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。

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参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
 @M6.0以上または最大震度が4以上のもの。A内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。B海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。

参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
 1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
 2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
 3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。