平成20年4月11日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2008年3月の地震活動の評価

1.主な地震活動

目立った活動はなかった。 補足説明へ

2.各地方別の地震活動

(1)北海道地方

○ 3月13日に根室半島南東沖の深さ約60kmでマグニチュード(M)5.3の地震が発生した。発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレート内で発生した地震である。 補足説明へ

(2)東北地方

○ 3月24日に福島県沖の深さ約50kmでM5.3の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界付近で発生した地震である。 補足説明へ

(3)関東・中部地方

○ 3月8日に茨城県北部〔茨城県沖〕の深さ約55kmでM5.2の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

○ 3月15日に父島近海でM6.6の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。

○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。 補足説明へ

(4)近畿・中国・四国地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(5)九州・沖縄地方

○ 3月10日に日向灘の深さ約30kmでM5.1の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。 補足説明へ

(6)その他の地域

○ 3月3日に千島列島東方でM6.9の地震が発生した。発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。この地震は2006年11月15日に発生したM7.9の地震の余震域内で発生した。

補足

○ 4月4日に茨城県南部の深さ約55kmでM5.0の地震が発生した。発震機構は東西方向に張力軸を持つ型で、フィリピン海プレートの沈み込みに伴う地震である。

注:〔 〕内は気象庁が情報発表に用いた震央地域名である。



2008年3月の地震活動の評価についての補足説明

平成20年4月11日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

2008年3月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
 M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ100回(2月は55回)および19回(2月は6回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は2回で、2008年3月までに3回発生している。

(参考)M4.0以上の月回数73回(1996−2005年の10年間の中央値)、
M5.0以上の月回数9回(1976−2005年の30年間の中央値)、
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1926−2005年の80年間の平均値)

2007年3月以降2008年2月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

− 能登半島地震 2007年3月25日M6.9(深さ約10km)
− 三重県中部 2007年4月15日M5.4(深さ約15km)
− 宮古島北西沖 2007年4月20日M6.3,M6.7,M6.1などの地震活動
− 新潟県中越沖地震 2007年7月16日M6.8(深さ約10km)
− サハリン西方沖 2007年8月2日M6.4
− 九十九里浜付近 2007年8月16日M5.3,18日M4.8などの地震活動
− ペルー沿岸 2007年8月16日M8.0
− 神奈川県西部 2007年10月1日M4.9(深さ約15km)
− 石川県能登地方 2008年1月26日M4.8(深さ約10km)

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2 各地方別の地震活動

(1)北海道地方

「3月13日に根室半島南東沖の深さ約60kmでマグニチュード(M)5.3の地震が発生した。発震機構は北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレート内で発生した地震である。」
 この地震は「平成6年(1994年)北海道東方沖地震」(M8.2)の余震域の南西端付近に位置しており、2000年1月28日にもほぼ同じ場所でM7.0の地震が発生している。

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(2)東北地方

東北地方では特に補足する事項はない。

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(3)関東・中部地方

「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
 (なお、これは、3月24日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)

 (参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成20年3月24日気象庁地震火山部)

 「現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
 全般的には顕著な地震活動はありません。静岡県中部では、プレート内で通常より活動レベルが低く、地殻内は活発な状態になっていますが、その他の地域では概ね平常レベルです。
 東海地域及びその周辺の地殻変動には注目すべき特別な変化は観測されていません。」

−平成19年(2007年)能登半島地震の余震域の西端で、2月下旬から3月17日のM4.5の地震を最大とする小規模な地震活動が発生している。

−GPS観測結果によると、2月27日に父島近海で発生したM6.6の地震に伴う、わずかな地殻変動が父島周辺で観測された。

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(4)近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。

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(5)九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。

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参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
 @M6.0以上または最大震度が4以上のもの。A内陸M4.5以上かつ最大震度が3以上のもの。B海域M5.0以上かつ最大震度が3以上のもの。

参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
 1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
 2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
 3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。