平成19年3月14日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2007年2月の地震活動の評価


1.主な地震活動

目立った活動はなかった。 補足説明へ

2.各地方別の地震活動

(1)北海道地方

○ 2月17日に十勝沖の深さ約40kmでマグニチュード(M)6.2の地震が発生した。発震機構は西北西―東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であり、陸のプレートと太平洋プレートの境界で発生した地震である。この地震は平成15年(2003年)十勝沖地震の余震域内で発生しており、周辺では十勝沖地震の最大余震(M7.1、最大震度6弱)が発生している。 補足説明へ

(2)東北地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(3)関東・中部地方

○ 2月4日に千葉県北西部の深さ約65kmでM4.3の地震が発生した。

○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。 補足説明へ

(4)近畿・中国・四国地方

○ 目立った活動はなかった。 補足説明へ

(5)九州・沖縄地方

○ 目立った活動はなかった。 補足説明へ

補足

○ 3月7日に秋田県内陸北部の深さ約15kmでM4.2の地震が発生した。

○ 3月8日に鳥島近海の深さ約150kmでM6.0の地震が発生した。発震機構は東北東―西南西方向に張力軸を持つ型であり、太平洋プレート内部で発生した地震である。

○ 3月9日に日本海北部の深さ約500kmでM6.2の深発地震が発生した。発震機構は太平洋プレートの沈み込む方向に圧力軸を持つ型で、太平洋プレートの内部で発生した地震である。

○ 3月10日に新潟県中越地方の深さ約10kmでM4.0の地震が発生した。この地震は平成16年(2004年)新潟県中越地震の余震域の南西側に約20km離れた場所で発生した。

○ 3月11日に北海道東方沖の深さ約15kmでM5.6の地震が発生した。発震機構(ハーバード大学による)は北西―南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であり、平成6年(1994年)北海道東方沖地震の余震域内で発生した。


2007年2月の地震活動の評価についての補足説明

平成19年3月14日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

2007年2月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
 M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ67回(1月は140回)および10回(1月は27回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は1回(1月は4回)であった。

(参考)M4.0以上の月回数73回(1996−2005年の10年間の中央値)、
M5.0以上の月回数9回(1976−2005年の30年間の中央値)、
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1926−2005年の80年間の平均値)

2006年2月以降2007年1月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

− 日向灘 2006年3月27日M5.5(深さ約35km)
− 伊豆半島東方沖 2006年4月21日M5.8、4月30日M4.5などの地震活動
− 大分県中部 2006年6月12日M6.2(深さ約150km)
− 千島列島東方 2006年11月15日M7.9
− 千島列島東方 2007年1月13日M8.2

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2 各地方別の地震活動

(1)北海道地方

北海道地方では特に補足する事項はない。

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(2)東北地方

東北地方では特に補足する事項はない。

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(3)関東・中部地方

「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
 (なお、これは、2月26日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)

 (参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成19年2月26日気象庁地震火山部)

「 現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
全般的には顕著な地震活動はありません。浜名湖東方から静岡県中部の直下では通常より活動レベルの低い状態になっていますが、その他の地域では概ね平常レベルです。
 東海地域及びその周辺の地殻変動には注目すべき特別な変化は観測されていません。
なお、2月5日ごろから同10日前後にかけて愛知県でプレート境界の短期的なゆっくり滑りに起因すると見られる地殻変動と低周波地震活動が観測されました。この付近では同様の現象が昨年8〜9月にも観測されています。」

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(4)近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。

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(5)九州・沖縄地方

九州地方で特に補足する事項はない。

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(6)その他の地域

−昨年11月15日および1月13日に千島列島東方で発生したM7.9とM8.2の地震に伴う余震活動は減衰している。


参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
 M6.0以上のもの。または、M4.0以上(海域ではM5.0以上)の地震で、かつ、最大震度が3以上のもの。

参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
 1 「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
 2 「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
 3 評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。