平成19年1月10日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2006年12月の地震活動の評価


1.主な地震活動

目立った活動はなかった。 補足説明へ

2.各地方別の地震活動

(1)北海道地方

○ 12月31日に根室半島南東沖の深さ約45kmでマグニチュード(M)5.0の地震が発生した。

○ 12月6日に釧路沖の深さ約30kmでM5.0の地震が発生した。 補足説明へ

(2)東北地方

○ 12月28日に宮城県沖の深さ約70kmでM4.4の地震が発生した。 補足説明へ

(3)関東・中部地方

○ 12月4日に千葉県北東部の深さ約50kmでM4.5の地震が発生した。発震機構は西北西―東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと太平洋プレートの境界で発生した地震である。

○ 12月30日から新島・神津島近海でM4.7を最大とする地震活動があった。

○ 12月16日に静岡県中部の深さ約20kmでM4.0の地震が発生した。

○ 12月19日に愛知・岐阜県境付近〔岐阜県美濃東部〕の深さ約15kmでM4.4の地震が発生した。発震機構は東西方向に圧力軸を持つ横ずれ型であった。

○ 12月26日に佐渡付近の深さ約15kmでM4.9の地震が発生した。発震機構は南北方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。

○ 東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。 補足説明へ

(4)近畿・中国・四国地方

○ 目立った活動はなかった。 補足説明へ

(5)九州・沖縄地方

○ 12月11日に奄美大島北東沖でM5.7の地震が発生した。発震機構は西北西―東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。 補足説明へ

(6)その他の地域

○ 12月26日に台湾付近でM7.2(アメリカ地質調査所(USGS)による)の地震が発生した。発震機構は東北東―西南西方向に張力軸を持つ正断層型であった。また、8分後にほぼ同じ場所でM7.1(USGSによる)の地震が発生した。 補足説明へ

補足

○ 1月5日に岐阜県美濃東部の深さ約55kmでM4.0の地震が発生した。

○ 1月8日に新潟県中越地方の深さ約15kmでM4.8の地震が発生した。発震機構は西北西―東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であり、平成16年(2004年)新潟県中越地震の余震域内で発生した。

○ 1月9日に網走沖の深さ約10kmでM4.7の地震が発生した。

○ 1月9日に茨城県南部の深さ約80kmでM4.4の地震が発生した。


注:〔 〕内は気象庁が情報発表に用いた震央地域名である。



○ 2006年12月の地震活動の評価についての補足説明

平成19年1月10日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

2006年12月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
 M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ136回(11月は121回)および29回(11月は45回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は3回で、2006年は23回発生した。なお、上記の月回数のうち、11月15日の千島列島東方の地震の余震活動によるものは、M4.0以上、M5.0以上、M6.0以上のそれぞれについて、53回、18回、1回であった(11月については、M4.0以上、M5.0以上、M6.0以上のそれぞれについて、54回、38回、2回であった)。

(参考)M4.0以上の月回数73回(1996−2005年の10年間の中央値)、
M5.0以上の月回数9回(1976−2005年の30年間の中央値)、
M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1926−2005年の80年間の平均値)

2005年12月以降2006年11月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

− 日向灘 2006年3月27日M5.5(深さ約35km)
− 伊豆半島東方沖 2006年4月21日M5.8、4月30日M4.5などの地震活動
− 大分県中部 2006年6月12日M6.2(深さ約150km)
− 千島列島東方 2006年11月15日M7.9

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2 各地方別の地震活動

(1)北海道地方

北海道地方では特に補足する事項はない。

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(2)東北地方

「12月28日に宮城県沖の深さ約70kmでM4.4の地震が発生した。」:
 この地震は2003年5月26日に発生したM7.1の地震の余震域内で発生した。

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(3)関東・中部地方

「12月19日に愛知・岐阜県境付近〔岐阜県美濃東部〕の深さ約15kmでM4.4の地震が発生した。発震機構は東西方向に圧力軸を持つ横ずれ型であった。」:
 地震発生直後の余震活動は比較的活発であったが、現在はほぼ収まった。

「東海地方のGPS観測結果等には特段の変化は見られない。」:
 (なお、これは、12月25日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会における見解(参考参照)と同様である。)

 (参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成18年12月25日気象庁地震火山部)

「 現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
 全般的には顕著な地震活動はありません。浜名湖東方から静岡県中部の直下では通常より活動レベルの低い状態になっていますが、その他の地域では概ね平常レベルです。
 東海地域及びその周辺の地殻変動には注目すべき特別な変化は観測されていません。」

関東・中部地方では、他に次の地震活動があった。

−12月31日に千葉県南東沖の深さ約45kmでM4.9の地震が発生した。

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(4)近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。

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(5)九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では特に補足する事項はない。

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(6)その他の地域

−12月8日に千島列島東方でM6.4の地震が発生した。この地震は11月15日に発生したM7.9の地震の余震域内で発生した。

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参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
 M6.0以上のもの。または、M4.0以上(海域ではM5.0以上)の地震で、かつ、最大震度が3以上のもの。

参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
 1「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
 2「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
 3評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。