平成18年9月13日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2006年8月の地震活動の評価


1.主な地震活動

目立った活動はなかった。 補足説明へ

2.各地方別の地震活動

(1)北海道地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(2)東北地方

○ 8月17日に宮城県沖の深さ約75kmでM4.3の地震が発生した。 補足説明へ

(3)関東・中部地方

○ 8月31日に東京湾の深さ約75kmでM4.8の地震が発生した。発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界付近で発生した地震である。

○ 東海地方のGPS観測結果には特段の変化は見られない。 補足説明へ

(4)近畿・中国・四国地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(5)九州・沖縄地方

○ 8月13日に奄美大島近海でM5.3の地震が発生した。発震機構は西北西−東南東方向に圧力軸をもつ逆断層型であった。 補足説明へ

(6)その他の地域

○ 8月7日に父島近海でM6.2の地震が発生した。

○ 8月18日にサハリン南部〔サハリン近海〕でM5.9の地震が発生した。発震機構は西南西−東北東に圧力軸をもつ逆断層型であった。

補足

○ 9月1日に奄美大島近海でM5.4の地震が発生した。

○ 9月7日に千葉県東方沖の深さ約40kmでM5.1の地震が発生した。

○ 9月7日に千葉県北西部の深さ約70kmでM4.6の地震が発生した。 補足説明へ


注:〔 〕内は気象庁が情報発表に用いた震央地域名である。



○2006年8月の地震活動の評価についての補足説明

平成18年9月13日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

2006年8月の日本およびその周辺域におけるマグニチュード(M)別の地震の発生状況は以下のとおり。
 M4.0以上およびM5.0以上の地震の発生は、それぞれ68回(7月は44回)および11回(7月は4回)であった。また、M6.0以上の地震の発生は1回で、2006年は8月までに8回発生している。

(参考) M4.0以上の月回数73回(1996−2005年の10年間の中央値)、
 M5.0以上の月回数9回(1976−2005年の30年間の中央値)、
 M6.0以上の月回数1.4回、年回数約17回(1926−2005年の80年間の平均値)

 2005年8月以降2006年7月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

− 宮城県沖 2005年8月16日M7.2(深さ約40km)
− 新潟県中越地方 2005年8月21日M5.0(深さ約15km)
− 茨城県沖 2005年10月19日M6.3(深さ約50km)
− 三陸沖 2005年11月15日M7.2
− 日向灘 2006年3月27日M5.5(深さ約35km)
− 伊豆半島東方沖 2006年4月21日M5.8、4月30日M4.5などの地震活動
− 大分県中部 2006年6月12日M6.2(深さ約150km)

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2 各地方別の地震活動

(1)北海道地方

北海道地方では特に補足する事項はない。

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(2)東北地方

「8月17日に宮城県沖の深さ約75kmでM4.3の地震が発生した。」
 2003年5月26日に発生した宮城県沖の地震(M7.1、最大震度6弱)の余震域内で発生した。

−2005年8月16日に発生した宮城県沖の地震(M7.2、最大震度6弱)から一年経過したが、地震発生後、牡鹿半島周辺のGPS観測点で観測されていた余効変動は、わずかながら継続している。

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(3)関東・中部地方

「8月31日に東京湾の深さ約75kmでM4.8の地震が発生した。発震機構は東西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界付近で発生した地震である。」
 この付近では2005年7月23日にM6.0の地震(最大震度5強)が発生している。

「東海地方のGPS観測結果には特段の変化は見られない。」:
 (8月31日に気象庁で開催された地震防災対策強化地域判定会(訓練)における検討によれば、7月31日の地震防災対策強化地域判定会委員打合せ会以降、東海地域の地震活動及び地殻変動の状況に大きな変化はない。本検討結果は、この見解と同様である。)

 (参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成18年7月31日気象庁地震火山部)

「 現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。
全般的には顕著な地震活動はありません。浜名湖東方から静岡県中部の直下では通常より活動レベルの低い状態になっていますが、その他の地域では概ね平常レベルです。
 東海地域及びその周辺における、プレート境界のゆっくり滑りに起因すると思われる長期的な地殻変動は、すでに停止していると考えられます。 」

−8月27日から9月1日にかけて、長野県南部から愛知県東部にかけて歪・傾斜変化と低周波地震(微動)が観測された。最近では2005年7月に愛知県東部で、2006年1月に三重・奈良県境から愛知県東部にかけて、同様な現象が観測されている。

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(4)近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では特に補足する事項はない。

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(5)九州・沖縄地方

−8月28日に与那国島近海の深さ約120kmでM5.3の地震が発生した。

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補足

−9月9日に宮城県沖の深さ約65kmでM4.9の地震が発生した。

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参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
   M6.0以上のもの。または、M4.0以上(海域ではM5.0以上)の地震で、かつ、最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
  1  「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
  2  「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
  3  評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。