平成14年3月13日 |
地震調査研究推進本部 |
地震調査委員会 |
2002年2月の地震活動の評価
2月12日に、茨城県沖の深さ約50kmで、マグニチュード(M)5.5の地震が発生し、最大震度5弱を観測し、被害を伴った。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 2月13日に、宮城県北部の深さ約10kmで、M4.5の地震が発生した。発震機構は北北西−南南東方向に圧力軸をもつ逆断層型であった。
○ 2月14日に、青森県東方沖の深さ約60kmで、M5.0の地震が発生した。 補足説明へ
○ 2月2日に、新潟県中越地方の深さ約10kmで、M4.3の地震が発生した。
○ 2月5日に、茨城県南西部の深さ約70kmで、M4.4の地震が発生した。
○ 2月11日に、茨城県沖(犬吠埼の東方沖約20km付近)の深さ約40kmで、M5.0の地震が発生した。
○ 2月12日に、茨城県沖(日立市の東方沖約30km付近)の深さ約50kmで、M5.5の地震が発生し、最大震度5弱を観測し、被害を伴った。発震機構は、西北西−東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、この付近に発生した過去の発震機構と同様である。この地震は沈み込む太平洋プレートと陸側のプレートの境界付近で発生したものと考えられる。
その後、余震活動は、下旬にはほとんど収まっている。
○ 三宅島付近から新島・神津島付近にかけての地震活動及び地殻変動は、引き続き低調ながらも続いている。
○ 駿河湾及びその周辺の地殻内の地震活動は、最近は、通常のレベルかやや多い状態となっている。
東海地方のGPS観測結果に認められた、静岡県西部を中心とする地域での微小な変化は、依然として継続しているように見える。 補足説明へ
○ 和歌山・奈良県境の深さ約10kmでは、2001年5月下旬から微小地震の活動が続いており、1月に活発化した。その後、徐々に活動レベルは低下してきており、活動領域も広がっていない。 補足説明へ
目立った活動はなかった。 補足説明へ
○ 2月2日に、ウラジオストク付近の深さ約410kmで、M6.0の深発地震が発生した。
○ 3月6日に、島根県東部の深さ約15kmで、M4.5の地震が発生した。
○ 3月7日に、オホーツク海南部の深さ約480kmで、M6.0の深発地震が発生した。
○ 3月11日に、徳島県北部の深さ約10kmで、M4.1の地震が発生した。
平成14年3月13日 |
地震調査委員会 |
日本及びその周辺域では、マグニチュード(M)4.0以上の地震の発生は34回(1月は63回、2000年末までの30年間の月平均は約46回。)観測された。この内、M5.0以上の地震の発生は6回(1月は6回)であった。
また、M6.0以上の地震の発生は、1998〜2000年の間で、年に平均16回(2000年までの30年間の年平均も約16回)発生している。2002年2月には、1回観測された(1月には観測されていない)。
2001年2月以降2002年1月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。
−新島・神津島付近 | 2001年2月13日M3.9(深さ約10km) | |
−安芸灘「平成13年(2001年)芸予地震」 | ||
2001年3月24日M6.7(深さ約50km) | ||
−静岡県中部 | 2001年4月3日M5.1(深さ約35km) | |
−岩手県内陸南部 | 2001年12月2日M6.4(深さ約120km) | |
−神奈川県西部 | 2001年12月8日M4.5(深さ約25km) | |
−奄美大島 | 2001年12月9日M5.8(深さ約40km) | |
−与那国島近海 | 2001年12月18日M7.3(深さ約10km) |
北海道地方では、特に補足する事項はない。
東北地方では、特に補足する事項はない。
「駿河湾及びその周辺の地殻内の地震活動は、最近は、通常のレベルかやや多い状態となっている。」:
長期的に見ると1996年頃からやや地震の発生頻度が低下し、2000年10月頃からさらに低下していたが、最近半年程度で見ると、地殻内の地震活動は、若干、発生頻度が高くなっており、2000年10月以前の状態になってきている。
なお、沈み込むフィリピン海プレート(スラブ)内の地震活動は、やや低い状態にある。
「東海地方のGPS観測結果に認められた、静岡県西部を中心とする地域での微小な変化は、依然として継続しているように見える。」:
東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動しているが、GPS観測結果では、静岡県西部を中心とする地域において、2001年4月頃から、この移動に、やや変化している傾向が見られるようになり、2002年2月に入っても継続している。但し、変化が加速している様子はない。
(なお、本評価結果は、2月25日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)
(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成14年2月25日気象庁地震火山部)
「 東海地域において、スラブ内の地震活動は、最近はやや少ない状態です。
駿河湾及びその西岸域の地殻内の地震に活動については、最近は平常かやや多い状態で推移しています。
また、東海地域及び周辺の地殻変動には、国土地理院の観測によれば昨年から長期的な変化が認められ、現在でも依然として継続しているように見えます。現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。」
近畿・中国・四国地方では、特に補足する事項はない。
九州・沖縄地方では、次の活動があった。
− 12月9日に発生した奄美大島の地震(M5.8)の余震活動は、引き続き減衰してきている。
− 12月18日に発生した与那国島近海の地震(M7.3)の余震活動は、引き続き減衰してきている。
補足
「3月6日に、島根県東部の深さ約15kmで、M4.5の地震が発生した。」
この地震は「平成12年(2000年)鳥取県西部地震」(M7.3)の余震である。
3月初め頃から、他に次の活動があった。
−2月末から、栃木県北部で微小地震の活動。これまでの最大M3.5(3月10日)。
訂正
2月13日に公表した「2002年1月の地震活動の評価についての補足説明」の中で「2 各地方別の地震活動」の「(3)関東・中部地方」の評価文の引用部分の記述に誤りがありましたので訂正します。
3ページ39行目の評価文の引用部分
誤)鈍化の兆しなどゆらぎが認められるようになったものの、その後も、依然として変化が継続しているように見える。
正)鈍化の兆しなどゆらぎが認められるようになったものの、その後も、依然として継続しているように見える。
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