平成14年7月10日
地震調査研究推進本部
地震調査委員会

2002年6月の地震活動の評価


1 主な地震活動

目立った活動はなかった。 補足説明へ

2 各地方別の地震活動


(1) 北海道地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(2) 東北地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(3) 関東・中部地方

○6月3日に鳥島近海の深さ約520kmで、M6.2の深発地震が発生した。発震機構は、圧力軸が太平洋プレートの沈み込む方向と一致しており、太平洋プレート内部の地震である。

○6月14日に茨城県南西部の深さ約55kmで、M4.9の地震が発生し、被害を伴った。この地震は、フィリピン海プレートと陸のプレートとの境界付近で発生した地震と考えられる。発震機構は、北西−南東方向に圧力軸を持つ逆断層型であった。

○6月20日に千葉県北東部の深さ約45kmで、M4.5の地震が発生した。この地震は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界付近で発生した地震と考えられる。発震機構は、ほぼ東西に圧力軸を持つ逆断層型であった。

○三宅島付近から新島・神津島付近にかけての地震活動及び地殻変動は、引き続き低調ながらも続いている。

○東海地方のGPS観測結果に昨年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。 補足説明へ

(4) 近畿・中国・四国地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ

(5) 九州・沖縄地方

目立った活動はなかった。 補足説明へ




(6) その他の地域

○6月29日にウラジオストク付近の深さ約590kmで、M7.2の深発地震が発生した。発震機構は西北西下がりに圧力軸を持つ型であり、太平洋プレート内部の地震である。



補足

○7月1日に岩手県沿岸北部の深さ約80kmで、M4.3の地震が発生した。



2002年6月の地震活動の評価についての補足説明

平成14年7月10日
地震調査委員会

1 主な地震活動について

日本及びその周辺域では、マグニチュード(M)4.0以上の地震の発生は57回(5月は57回、2000年末までの30年間の月平均は約46回)観測された。この内、M5.0以上の地震の発生は4回(5月は6回)であった。
また、M6.0以上の地震の発生は、1998〜2000年の間で、年に平均16回(2000年までの30年間の年平均も約16回)発生している。2002年6月にはM6.0以上の発生は2回。2002年は6月までに7回発生している。
2001年6月以降2002年5月末までの間、主な地震活動として評価文に取り上げたものは次のものがあった。

−岩手県内陸南部2001年12月2日M6.4(深さ約120km)

−神奈川県西部2001年12月8日M4.5(深さ約25km)

−奄美大島2001年12月9日M5.8(深さ約40km)

−与那国島近海2001年12月18日M7.3(深さ約10km)

−茨城県沖2002年2月12日M5.5(深さ約50km)

−石垣島南方沖2002年3月26日M6.6(深さ約10km)

−台湾付近2002年3月31日M7.0

本文へ

本文へ

2 各地方別の地震活動

(1) 北海道地方

北海道地方では、特に補足する事項はない。

本文へ

(2) 東北地方

東北地方では、特に補足する事項はない。

本文へ

(3) 関東・中部地方

「東海地方のGPS観測結果に昨年から認められた長期的な変化は、現在でも依然として継続しているように見える。」:
東海地方から中部地方にかけての太平洋側は、フィリピン海プレートの北西方向への沈み込みなどにより、西北西にほぼ一定速度で移動しているが、GPS観測結果では、静岡県西部を中心とする地域において、2001年4月頃から、この移動に、やや変化している傾向が見られるようになり、2002年6月に入っても継続している。但し、変化が加速している様子はない。
(なお、本評価結果は、6月24日に開催された地震防災対策強化地域判定会委員打合会における見解(参考参照)と同様である。)

(参考)最近の東海地域とその周辺の地震・地殻活動(平成14年6月24日気象庁地震火山部)
「 東海地域のフィリピン海プレート内の地震活動は、昨年4〜6月の静岡中部の活動終了以降低下しています。
一方、地殻内の地震活動は、昨年は平常かやや多い状態で推移していましたが、本年に入り平常のレベルに戻っています。
また、東海地域及び周辺の地殻変動には、国土地理院の観測によれば、昨年から長期的な変化が認められ、現在でも依然として継続しているように見えます。
現在のところ、東海地震に直ちに結びつくような変化は観測されていません。」

関東・中部地方では、他に次の地震活動があった。
−6月5日から6日にかけて伊豆大島近海(伊豆大島島内)でM3.6を最大とする地震活動があった。

本文へ

(4) 近畿・中国・四国地方

近畿・中国・四国地方では、次の地震活動があった。

−和歌山・奈良県境の深さ約10km付近の地震活動は、5月以降低調な状態が続いていたが、6月中旬から一時的に活発化した。活動は従来の活動域内で、M2.8を最大とする小規模なものであった。

本文へ

(5) 九州・沖縄地方

九州・沖縄地方では、次の地震活動があった。

−6月5日に、宮古島近海の深さ約50kmで、M4.7の地震が発生した。

本文へ

参考1 「地震活動の評価」において掲載する地震活動の目安
M6.0以上のもの。又は、M4.0以上(海域ではM5.0以上)の地震で、かつ、最大震度が3以上のもの。
参考2 「地震活動の評価についての補足説明」の記述の目安
「地震活動の評価」に記述された地震活動に係わる参考事項。
「主な地震活動」として記述された地震活動(一年程度以内)に関連する活動。
評価作業をしたものの、活動が顕著でなく、かつ、通常の活動の範囲内であることから、「地震活動の評価」に記述しなかった活動の状況。