地震調査研究の最前線4

地震が起(お)きた時(とき)、地下(ちか)の構造(こうぞう)が原因(げんいん)で、周(まわ)りと比(くら)べて強(つよ)くゆれる地域(ちいき)が出(で)てきたりします。また、地震を起こす断層(だんそう)は地下にあるので、どのくらいの長(なが)さで、どこにあるのかはっきりとわかりません。
ここでは、人工的(じんこうてき)に地震を起こして地下の様子(ようす)を調(しら)べる技術(ぎじゅつ)を紹介(しょうかい)します。

地震を人工的に起こす車(バイブロサイス車)
写真提供:地球科学総合研究所
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地表(ちひょう)の近(ちか)くで人工的(じんこうてき)に発生(はっせい)させた振動(しんどう)は、地中(ちちゅう)を伝(つた)わり、速度(そくど)や密度(みつど)が変化(へんか)する地層(ちそう)などの境界面(きょうかいめん)で一部(いちぶ)が反射(はんしゃ)して再(ふたた)び地表(ちひょう)へ戻(もど)ります。
こうして地表に戻ってきた波(なみ)を一定間隔(いっていかんかく)においた地震計(じしんけい)でとらえ、到達時間(とうたつじかん)の違(ちが)いなどから、地下(ちか)の構造(こうぞう)を明(あき)らかにします。

地層(ちそう)の厚(あつ)さや地層と地層の重(かさ)なり具合(ぐあい)、地層が曲(ま)がっていたり切(き)れていたりするのかがわかります。また、地下(ちか)に断層(だんそう)があるのかどうか、ある場合(ばあい)はどんな形(かたち)なのかなどがかります。

地震が起(お)きた時(とき)、地下(ちか)の構造(こうぞう)が原因(げんいん)で、周(まわ)りと比(くら)べて強(つよ)くゆれる地域(ちいき)が出(で)てきたりしますが、地下の構造を調(しら)べることで、地震の揺(ゆ)れを精度(せいど)よく予測(よそく)することができるようになります。
また、見(み)つかった断層(だんそう)を詳(くわ)しく調(しら)べると、起こった地震の時期(じき)や規模(きぼ)もわかることがあり、将来(しょうらい)の地震予測(よそく)に大(おお)いに役立(やくだ)ちます。

とじる