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  1. 地震に関する評価
  2. 主な地震活動
  3. 2016年の主な地震活動の評価

2016年の主な地震活動の評価

2016年の主な地震活動の図
(図中のシンボル、または下の主な地震活動のリストをクリックすると、該当する地震活動の評価へジャンプします。)

 各地震活動の評価は、発生後、1年程度の間に公表された評価内容をとりまとめたものです。(これまでの地震活動の評価の閲覧へ

青森県三八上北地方の地震活動 2016年1月11日、M4.6 [最大震度5弱]

○ 1月11 日に青森県三八上北地方の深さ約10kmでM4.6の地震が発生した。この地震の発震機構は東北東-西南西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、地殻内で発生した地震である。

浦河沖の地震活動 2016年1月14日、M6.7 [最大震度5弱]

○ 1月14日に浦河沖の深さ約50kmでM6.7の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。GNSS観測の結果によると、この地震に伴い、小さな地殻変動が観測された。

平成28年(2016年)熊本地震の地震活動
2016年4月14日,16日、M6.5,M7.3 [最大震度7]

*:「平成28年(2016年)熊本地震」(気象庁による命名)は、4月14日21時26分以降に発生した熊本県を中心とする一連の地震活動を指す。


[地震活動の概要]

○ 4月14日21時26分に熊本県熊本地方の深さ約10kmでマグニチュード(M)6.5の地震が発生した。また、4月16日01時25分に同地方の深さ約10kmでM7.3の地震が発生した。これらの地震により熊本県で最大震度7を観測し、被害を生じた。

○ 一連の地震活動は熊本県熊本地方から大分県中部にわたる。熊本県熊本地方では、北東-南西方向に延びる長さ約50kmの領域で地震活動が活発である。また、熊本県阿蘇地方では4月16日のM5.8の地震により熊本県で最大震度6強を観測したほか、大分県中部では4月16日のM7.3の地震発生直後に別の地震が発生し、最大震度6弱を観測するなど、M7.3の地震発生直後から地震活動が見られている。


[発震機構]

○ 4月14日のM6.5の地震の発震機構は北北西-南南東方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内の浅い地震である。この地震の余震分布と発震機構から推定される震源断層は北北東-南南西方向に延びる右横ずれ断層であった。

○ 4月16日のM7.3の地震の発震機構は南北方向に張力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内の浅い地震である。この地震の余震分布と発震機構から推定される震源断層は、北東-南西方向に延びる右横ずれ断層で正断層成分を含むものであった。


[強震動]

○ 4月14日のM6.5の地震に伴い、熊本県内のKiK-net益城観測点で1580gal(三成分合成)、また、4月16日のM7.3の地震に伴い、熊本県大津町の自治体震度観測点で1791gal(三成分合成)など、大きな加速度を観測した。


[地殻変動]

○ GNSS観測の結果によると、4月14日のM6.5の地震及び4月15日のM6.4の地震の発生に伴って、熊本県内の城南観測点が北北東方向に約20cm移動するなどの地殻変動が、また、4月16日のM7.3の地震の発生に伴って、熊本県内の長陽観測点が南西方向に約98cm移動するなどの地殻変動が観測されている。陸域観測技術衛星2号「だいち2号」が観測した合成開口レーダー画像の解析結果によると、熊本県熊本地方から阿蘇地方にかけて地殻変動の面的な広がりがみられ、布田川断層帯の布田川区間沿い及び日奈久断層帯の高野-白旗区間沿いに大きな変動がみられる。これらの地殻変動から、すべりを生じた震源断層の長さは約35kmであると推定される。


[活断層との関係]

○ 4月14日のM6.5の地震及び4月15日のM6.4の地震の震源域付近には日奈久断層帯が存在している。これらの地震は、その高野-白旗区間の活動によると考えられる。地震調査委員会は日奈久断層帯(高野-白旗区間)について、活動時にM6.8程度の地震が発生する可能性があり、30年以内の地震発生確率は不明と評価していた。なお、日奈久断層帯(高野-白旗区間)を含む九州南部の区域では、M6.8以上の地震の発生確率は7-18%と評価していた。

○ 4月16日のM7.3の地震の震源域付近には布田川断層帯が存在している。この地震は、主に布田川断層帯の布田川区間の活動によると考えられる。地震調査委員会は布田川断層帯(布田川区間)について、活動時にM7.0程度の地震が発生する可能性があり、30年以内の地震発生確率はほぼ0%~0.9%(やや高い)と評価していた。なお、布田川断層帯を含む九州中部の区域では、M6.8以上の地震の発生確率は18-27%と評価していた。

○ 現地調査の結果によると、布田川断層帯の布田川区間沿いなどで長さ約28km、及び、日奈久断層帯の高野-白旗区間沿いで長さ約6kmにわたって地表地震断層が見つかっており、益城町堂園付近では最大約2.2mの右横ずれ変位が生じた。一部の区間では、北側低下の正断層成分を伴う地表地震断層も見つかっている。


[地震活動の見通し]

○ 一連の地震活動は、全体として減衰傾向が見られるが、熊本県熊本地方及び阿蘇地方 の活動は、減衰しつつも依然として活発である。大分県中部の活動は減衰している。

○ 平成16年(2004年)新潟県中越地震(M6.8)や2011年の福島県浜通りの地震(M7.0)では、本震から1~2ヶ月後にもM5程度の余震が発生した。こうしたことから、今後も最低1ヶ月程度は、熊本県熊本地方及び阿蘇地方ではM5~6(最大震度6弱程度)、大分県中部では、M5程度(最大震度5強程度)の余震が発生するおそれがあり、引き続 き十分注意が必要である。


○ 九州地方では、1975年の熊本県阿蘇地方(M6.1)から大分県西部(M6.4)の地震活動や、1997年の鹿児島県薩摩地方の地震活動(M6.6、M6.4)のように、当初の活動域に近接する地域で2~3ヶ月の間をおいて、同程度の地震が発生したことがある。こうしたことから、熊本県から大分県にかけて、今後も最低2ヶ月程度は、震度6弱以上の揺れにみまわれることも否定できないことから注意が必要である。

茨城県南部の地震活動 2016年5月16日、M5.5 [最大震度5弱]

○ 5月16日に茨城県南部の深さ約40kmでM5.5の地震が発生した。この地震の発震機構は北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

内浦湾の地震活動 2016年6月16日、M5.3 [最大震度6弱]

○ 6月16日に内浦湾の深さ約10kmでM5.3の地震が発生した。この地震の発震機構は北東-南西方向に圧力軸を持つ逆断層型で、陸のプレートの地殻内で発生した地震である。この地震の震源付近では、M5.3の地震の前からまとまった地震活動が続いており、6月21日のM4.2の地震など、7月4日までに震度1以上を観測する地震が39回発生している。

茨城県北部の地震活動 2016年7月27日、M5.4 [最大震度5弱]

○ 7月27日に茨城県北部の深さ約55kmでM5.4の地震が発生した。この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、太平洋プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

熊本県熊本地方の地震活動 2016年8月31日、M5.2 [最大震度5弱]

○ 8月31日に熊本県熊本地方の深さ約15kmでM5.2の地震が発生した。この地震の発震機構は南北方向に張力軸を持つ正断層型で、地殻内で発生した地震である。

沖縄本島近海の地震活動 2016年9月26日、M5.6 [最大震度5弱]

○ 9月26日に沖縄本島近海の深さ約45kmでM5.6の地震が発生した。この地震の発震機構は北西-南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、フィリピン海プレートと陸のプレートの境界で発生した地震である。

鳥取県中部の地震活動 2016年10月21日、M6.6 [最大震度6弱]

○ 10月21日14時07分に鳥取県中部の深さ約10kmでマグニチュード(M)6.6の地震が発生した。この地震により鳥取県で最大震度6弱を観測し、被害を伴った。その後、11月10日16時現在までに発生した最大の地震は、10月21日14時53分に発生したM5.0の地震で、最大震度4を観測した。M6.6の地震の震源周辺で発生している地震活動は、北北西-南南東方向に延びる長さ約10kmの領域を中心に発生しており、減衰しつつも継続している。なお、10月21日12時過ぎから、ややまとまった地震活動が震源の極近傍で見られていた。


○ この地震の発震機構は西北西-東南東方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型で、地殻内の浅い地震である。


○ GNSS観測の結果によると、今回の地震に伴って、鳥取県内の羽合観測点が北北東方向に約7cm移動するなどの地殻変動が観測された。また、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」が観測した合成開口レーダー画像の解析結果によると、M6.6の地震の震央周辺に地殻変動の面的な広がりがみられた。


○ この地震の発震機構と今回の地震活動の分布、GNSS観測及び合成開口レーダー画像の解析結果から推定される震源断層は、北北西-南南東方向に延びる長さ約10kmの左横ずれ断層であった。


○ 鳥取県周辺では、大きな規模の地震の発生後に規模の近い地震が続発した事例が複数あり、同程度かさらに大きな地震が数ヶ月後に発生した事例もある。


○ 地震調査委員会は、今回の地震活動域を含む中国地域北部の区域では、活断層は少ないが、地震活動は比較的活発であり、M6.8以上の地震が30年以内に発生する確率は40%と評価していた。


福島県沖の地震活動 2016年11月22日、M7.4 [最大震度5弱] [津波を観測]

○ 11月22日に福島県沖の深さ約10km(CMT解による)でM7.4の地震が発生した。この地震は陸のプレートの地殻内で発生した地震である。この地震の発震機構は北西-南東方向に張力軸を持つ正断層型で、南東方向に傾斜する断層面で発生した地震である。この地震により、宮城県の仙台港で1.4mの津波を観測したほか、北海道から和歌山県にかけての太平洋沿岸及び伊豆・小笠原諸島で津波を観測した。GNSS観測によると、この地震に伴い、福島県内の小高観測点で北西方向に約4cm移動するなどの地殻変動が観測された。その後、この地震の震源付近では、24日にM6.2の地震が発生するなど、M5.0以上の地震が9回発生している。

茨城県北部の地震活動 2016年12月28日、M6.3 [最大震度6弱]

○ 12月28日21時38分に茨城県北部の深さ約10kmでマグニチュード(M)6.3の地震が発生した。この地震により茨城県で最大震度6弱を観測し、被害を伴った。その後、1月13日16時現在までに発生した最大の地震は、12月28日21時53分に発生したM4.7の地震で、最大震度4を観測した。M6.3の地震の震源周辺で発生している地震活動は、北北西-南南東方向に延びる長さ約15kmの領域で発生しており、減衰しつつも継続している。


○ この地震の発震機構は東北東-西南西方向に張力軸を持つ正断層型で、地殻内の浅い地震である。


○ GNSS観測の結果によると、今回の地震に伴って、茨城県内の里美観測点が西南西方向に約3cm移動するなどの地殻変動が観測された。また、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」が観測した合成開口レーダー画像の解析結果によると、最大約27cmの沈降または西向きの地殻変動が観測された。


○ この地震の発震機構と今回の地震活動の分布、GNSS観測及び合成開口レーダー画像の解析結果から推定される震源断層は、北北西-南南東方向に延び、西南西方向に傾斜する長さ約10kmの正断層であった。


○ 今回の地震は、平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の余震域で発生した。余震は時間の経過とともに減少してきているものの、東北地方太平洋沖地震前の平均的な地震活動状況と比べると約2倍であり、地震活動が定常的に高い状態が続く沿岸部を中心に依然として活発な状況にある。今後も長期間にわたって余震域や内陸を含むその周辺で規模の大きな地震が発生し、強い揺れや高い津波に見舞われる可能性があるので、引き続き注意が必要である。


○ なお、2004年に発生したスマトラ島北部西方沖の地震(Mw9.1)では、4ヵ月後にMw8.6、約2年半後にMw8.5、約5年半後にMw7.5、約7年半後および約11年後に海溝軸の外側の領域でそれぞれMw8.6およびMw7.8の地震が発生するなど、震源域およびその周辺で長期にわたり大きな地震が発生している。


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